
第80回に登場!
ドラマに出てくるアレ!
御三味(うさんみ)
「良子は御三味料理を徹夜で作って来ました」
「天・地・海」の幸を先祖の神様へ
沖縄には先祖を大切にする風習があり、今でも旧盆や清明祭(しーみー)、お彼岸といった行事が盛大に行われています。御三味(うさんみ)とは、先祖の墓や仏壇にお供えする重箱料理のこと。重箱の中には、「天・地・海」の食材を使った惣菜が詰まっています。基本となるのは、カステラかまぼこ、紅白かまぼこ、揚げ豆腐、魚の天ぷら、田芋、昆布、ごぼう、こんにゃく、三枚肉の9品。行事前になるとスーパーの惣菜売り場にも並びますが、手作りにこだわる家庭もあります。ドラマの中では、良子が石川家の嫁として認めてもらえるよう頑張っている姿が印象的に描かれていました。

ご先祖様と一緒に「くわっちーさびら(いただきます)」
御三味には、惣菜を詰めた「おかず重」の他に、餅を詰めた「餅重(むちじゅう)」があります。法事の餅重には白餅を入れますが、清明祭や正月ではきなこ餅やよもぎ餅を入れることもあります。餅の数は9個か15個が基本ですが、「お祝いは奇数、法事は偶数」と決めている地域や家庭もあるとか。御三味の供え方は、おかず重と餅重を1セットとして、一組は仏前に、もう一組は手前に並べます。この形には、ご先祖様と一緒に同じごちそうを食べて供養するという意味があるそうです。先祖への想いが強い沖縄ならではの風習ですね。
