舞台を知りたい

「やんばる」ってどんなところ?

「やんばる」とは、沖縄本島北部のエリア。漢字では「山原」と書き、山々が連なる原野というような意味合い。
実は具体的な定義がなく、歴史的には読谷村より北の恩納村、金武町、宜野座村、名護市、本部町、今帰仁村、大宜味村、東村、国頭村を指していましたが、時代が下るにつれて「やんばる」の境界線は北上。現在の感覚では名護市以北を指すことが多いようです。ただ、多様な生物が生息する豊かな森がある地域という狭義の意味では、国頭・東・大宜味のいわゆる「やんばる三村」を指すことが増えました。特に世界自然遺産に登録されてからは、この三村が注目されています。

現在では、沖縄本島北部の市町村に伊江村、伊平屋村、伊是名村を加えた沖縄北部12市町村が連携をし、「ちむどんどんの舞台地・やんばる」としての取り組みを進めています。

沖縄本島は南北に細長い島ですが、中南部は比較的平らな地形であるのに比べ、やんばるは中央部に標高400メートル以上の山が連なり、森から流れ出た川に沿って集落が形成されているところがほとんど。酸性の土壌のために、山にはイタジイ(ブロッコリー状に見える)やヒカゲヘゴなどが多く、農業ではパイナップルの栽培が盛んです。また、豊かな自然を楽しみに訪れる旅行者が増え、観光業も伸びています。のんびりした雰囲気を味わいに、やんばるに足を運んでみませんか。


ドラマの年代 舞台は本土復帰前の沖縄

復帰前の「アメリカ世(ゆー)」ってどんな時代?

1945年の敗戦後、いち早く米軍に占領された沖縄。そのまま1972年まで、米軍の統治下に置かれました。日本本土では平和憲法が制定され、占領していた連合国軍は去り、米軍基地も規模を縮小していったのに対し、沖縄は米軍統治下のまま。アメリカンカルチャーの影響を受けた食文化や、ジャズやロックなどの音楽文化も花開きましたが、高度経済成長期に入った本土と沖縄では格差が開く一方。当時の沖縄県民の多くが「日本への復帰」を求めるようになり、日米両政府ともこれを無視できない状況に。1972年5月15日に、沖縄の施政権は日本政府に返還されました。

「復帰前」「復帰後」の沖縄

復帰の頃、「本土に復帰すると沖縄にも雪が降るの?」と子どもたちが聞いたという話があります。復帰して大きく変わったのは、通貨と出入域制度でした。米ドルから日本円への切り替えは大騒ぎ。中には便乗値上げもあり、しばらくの間、「〇円…えーと、何ドルぐらい?」と日用品の買い物も大変でした。

また、復帰前の沖縄には出入域制限があり、沖縄の住民が本土と往来するには「日本渡航証明書」、日本以外の外国に渡航するには「身分証明書」が必要で、これらはまとめて「パスポート」と呼ばれました。日本本土に住所がある人も、沖縄へ来るには内閣総理大臣発行の「身分証明書」の発行が必要でした。これらがすべて不要になったため、復帰後の往来はとても身軽になり、沖縄を観光旅行で訪れる人の数は年々増えていったのです。

さらに、1975年には沖縄国際海洋博覧会が開催。経済の起爆剤としての役割が期待され、沖縄自動車道や港湾などインフラの整備も進みました。1978年7月30日には自動車の対面交通が右側通行から左側通行に変更。日付にちなんで「ナナサンマル」と呼ばれます。

時代とともにアメリカ色は薄れ、日本文化も流入してきましたが、生活文化にはまだまだ沖縄らしさが残っています。特に食文化は、アメリカや日本だけでなく、ハワイや南米の移民が持ち込んだ食も含め、さまざまな要素を取り入れながら現在のウチナー料理が築かれてきたと言えるでしょう。

また、琉球・沖縄文化の素晴らしさも見直されています。復帰前後は「泡盛や三線なんて古くさい」という風潮が若者世代にはありましたが、今はむしろ三線やエイサーなどの沖縄文化を素直に誇りに思う若者が増えています。

復帰しても米軍基地はあり、貧困問題など社会的課題も多い沖縄ですが、それでも多くの人を惹きつけてやまないのは、美しい自然だけでなく、たくましくてやさしいウチナーンチュの笑顔があるからかもしれません。

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掲載日:
2022.03.30

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