
沖縄の「自然」と「料理」で、来た時より元気になって欲しい
渡久地 政志さん
有限会社いらぶんやー 代表取締役
有限会社いらぶんやーの代表取締役として現在本部町に暮らし、本部町のハナサキマルシェで海人料理 海邦丸を経営されている伊江島出身の渡久地 政志さんにお話をうかがいました。
名護の「サンセットバーガー」が懐かしく感じられた
- 伊江島のご出身だとお聞きしましたが、ドラマを見て感じることはありますか?
- 僕はやんばると言っても伊江島、いわゆる島やんばるの出身。「ちむどんどん」の設定年代よりはだいぶ後の生まれなんですが、僕の子供時代もドラマに出てくる復帰前の沖縄のような感じで、放送を見ていて懐かしいなと感じる瞬間がとっても多かったですね。当時の伊江島には何もなくて、海で泳いだり釣りをしたりの毎日でしたから、年に2~3回ほど本島に出てハンバーガーを食べるのが楽しみで…。まさにドラマに描かれていたハンバーガー店「サンセットバーガー」のようなお店がありましたよ。15歳の頃、伊江島には高校がなかったので宜野湾市の方に出てきて、卒業後しばらくは那覇の飲食店などで働いていたのですが、やっぱり自然豊かなやんばるで暮らしたい という想いが強く本部町にやってきました。

やんばるの自然を感じれば、心からホッとするはず
- やんばるに戻ってこられて改めて感じた良さはどんなところでしょうか?
- やんばるに戻って改めて感じたのは「心の底から居心地がいい」ということです。国頭村の山の中まで水を汲みに行くことがあるのですが、生い茂る木々に囲まれた空間にいるとこれぞ“やんばる”と感じます。僕の中にある沖縄のイメージを強く体感できる瞬間で、ホッとします。用事でやんばるを離れた帰り路に高速を降りて海が見えた瞬間も、見慣れているはずの海の美しさに毎回ちむどんどんしています。本部町からは伊江島タッチューの名で親しまれている城山(ぐすくやま)の雄姿を眺めることができます。特に夕日が沈んでいく様は美しく、思わず時間を忘れてしまうという観光客の方も多いようです。日々の喧騒から離れて沖縄にのんびりしに来ている方には是非、やんばるの自然が織りなす「居心地の良さ」を体感してホッとしたり、元気をチャージして帰っていただきたいですね。


心と身体が元気になる沖縄料理の魅力を伝えたい
- 「ちむどんどん」の放送を機に取り組んでおられることなどを教えてください。
- 北部12市町村と沖縄美ら海水族館などを運営する財団とで構成された「やんばるチームどんどん協議会」との取り組みで、各市町村の特産品を使った丼、「ちむどんどん丼」をお店で提供する企画に参加しています。本部町が提供するのは100年前のレシピを再現した「ラフテー丼」!ラフテーとは皮付きの三枚肉またはヒサガー(皮付きのもも肉)を泡盛や醤油で甘辛く味付けした料理のことで、いわゆる豚の角煮のことを言います。程よい弾力を残しながらも、お箸でスッと切れるほど柔らかく煮込んだラフテーに、やんばるで採れた彩り豊かな野菜を盛り合わせてここでしか味わえない一品に仕上げました。実は僕自身、沖縄が舞台のドラマが新鮮で、テーマになっている「食」の魅力を改めて実感しているところです。沖縄料理は「ぬちぐすい」(沖縄の方言で命の薬)として古くから心と身体に元気を与えてくれるものとされていますので、やんばるの自然に癒された後は、地域で採れた食材を使った沖縄料理を食べて心身ともに元気になって頂けたら嬉しいです。

お話を聞いた人

伊江島出身。卒業後、那覇の飲食店で勤務後やんばるに戻り、本部町ハナサキマルシェで海人料理「海邦丸」を経営中。ドラマを見て沖縄家庭料理の魅力を再認識し、新メニューを鋭意検討中。
海人料理 海邦丸