
第90回に登場!
ドラマに出てくるアレ!
琉装と髪結い
「暢子、ありがとう、とってもきれいさ」
華やかにハレの日を祝う、琉球の正装
琉装は晴れ着として親しまれてきた琉球の正装です。ドラマの中では、暢子の華やかな琉装姿が印象的でした。紅型(びんがた)の鮮やかな色彩に目を惹かれた方も多いのではないでしょうか。紅型は琉球王国時代に発展した染物の総称で、「紅」には色彩、「型」には模様という意味が含まれています。交易が盛んだったアジア各国の大胆な配色と日本の繊細な模様が融合した琉球独自の伝統工芸です。 琉装の長い袖や緩やかなフォルムは、中国の漢服や日本の着物の影響を受けて発展したものです。着物と違い、帯留めはせず、袖口が広くゆったりとした造りになっているため、風通しがよく、沖縄の風土に合っています。今でも、成人式や十三祝い、結婚式などで琉装を選ぶ若者は少なくありません。華やかにハレの日を祝う、時代を越えて愛される衣装です。

独特の髪の結い方に職人の技あり!
琉装姿の暢子は独特な髪型をしていました。あれは琉髪(うちなーカラジ)と呼ばれるもので、「うちなーカンプウ」と表現する人もいます。「カンプウ」 というのは髪を結うことを意味します。琉球では、成人になると男性は「カタカシラ」、女性は「カラジ」という髪型にしました。後に日本髪と琉髪を区別するために「うちなーカラジ」と呼ぶようになったそうです。
琉髪を結うことを「髪結い(カラジユイ)」と言います。琉球舞踊には演目に合わせて何種類もの琉髪が存在します。踊り手が髪結いを兼ね、舞台袖では演目の間に様々な髪結いを行います。最近では着付けから髪結いまで一人前にできる者が少なく、髪結いの技術を伝える後継者が不足しているという問題があります。髪結いは、踊りや唄の意味を深め、時代背景や世界観を演出するための大切な伝統技術です。うちなー美人の象徴である「琉装に琉髪」で踊る姿は、未来へ残したい沖縄の風景の一つです。
