笑いまショーおきなわ司会キャン×キャン単独インタビュー

掲載日:
2025.09.03

公益財団法人沖縄県文化芸術振興会では、沖縄県の戦後80周年平和祈念事業の一環として「お笑いで見る沖縄戦後史 笑いまショーおきなわ」を開催します。戦後の沖縄の歴史を振り返りつつ、当時を彷彿させるような沖縄のお笑いを見ることができます。

司会は東京を拠点に活躍する県出身のお笑い芸人キャン×キャン、そして生きる伝説、喜劇の女王などの異名を持つ仲田幸子本人もユンタクコーナー(トークのみ)に出演します。

日時:2025年11月23日(日)※受付終了しました。

会場:那覇市文化芸術劇場なはーと 大劇場

司会を務める、お笑いコンビ「キャン×キャン」のゆっきーさん・とっちゃんさんに、新たな舞台「お笑いで見る沖縄戦後史 笑いまショーおきなわ」についてお話を伺いました。
 

キャン×キャンの歩みを教えてください

芸人がいない東京の事務所で、25年ほど活動を続けている

キャン×キャン/ゆっきーさん

僕らは那覇高校の先輩・後輩の関係で、僕が3年生のとき、とっちゃんが1年生でした。生徒会長として約1700人の前で毎回挨拶をしていたのですが、その場で副会長と漫才やコントを披露していて、きっと1年生の彼もその姿を見ていたと思います。

高校卒業後、それぞれ別のコンビでお笑いの活動をしていたのですが、あるとき僕の相方が出られなくなったことをきっかけに、「一緒に組もう」という話になり、そこで初めて「キャン×キャン」が結成されました。

その後、RBCの「安室奈美恵を目指せ」という番組で僕が司会を務めていたところ、事務所の方に気に入られて、安室奈美恵さんと同じライジングプロダクションに所属することに。芸人がいない事務所ですが、そこに入ってからもう25年ほど活動を続けています。現在は、浅草・東洋館で漫才協会の舞台に出演したりしています。

キャン×キャン/ゆっきーさん

東京から見た沖縄のお笑いの印象について教えてください

気づいたら沖縄がすごく盛り上がっていて・・・今はとても羨ましい

キャン×キャン/とっちゃんさん

僕らが上京した頃と比べると、沖縄のお笑いは今どんどん盛り上がってきていると感じます。お世話になっているひーぷーさんがラジオを始めたり活躍し始めたのも、僕らが東京に出てからのことなんです。

正直、ちょっと嫉妬もありますね。僕らがまだ沖縄にいたころも芸人はいましたけど、ここまでの盛り上がりはありませんでした。当時は「活動するなら東京しかない」と思って上京したのに、気づいたら沖縄がすごく盛り上がっていて・・・今はとても羨ましく思っています。

キャン×キャン/とっちゃんさん

司会の依頼を受けた時の気持ちを教えてください

最初はどう進めようかと悩んだが、豪華なメンバーが揃い、どんな展開も可能だと確信

キャン×キャン/ゆっきーさん

まず、「お笑いで見る沖縄戦後史」というテーマを聞いたとき、最初は「どうやって形にしようかな」と少し迷いました。当時はまだ出演者がすべて決まっていなかったので、いろいろと考えを巡らせていましたが、準備が進むにつれて、前代未聞ともいえる豪華なメンバーが揃い、「これならどんなムーブメントでも生み出せる」と確信するようになりました。全員でひとつの舞台を作ることもできるし、それぞれが得意分野を活かして個性を発揮することもできる。可能性がたくさんあるので、ワクワクしかなかったですね。

仲田さんお一人だけでも十分すごいのに、このジャンルの方々が集まるなんて、まさに奇跡だと思います。おそらく出演者の皆さん自身も「こんなことはない」と感じているはずです。

キャン×キャン/ゆっきーさん

「笑いまショーおきなわ」の見どころを伝えるとしたら

今まで気恥ずかしくて語られてこなかった部分も含め、深みを感じられるお笑いのショー

キャン×キャン/とっちゃんさん

今回の舞台は「戦後の歴史を振り返りつつ、お笑いも楽しめる」というテーマです。単に笑うだけではなく、しっかりと勉強になり、歴史を学べるという点が大きな魅力だと思います。老若男女問わず「学びながら楽しめる」ことが、一番の柱ですね。

お笑いで単に茶化すのではなく、「こういう出来事があったから、こんなお笑いが生まれたんだ」と背景を知ることで、沖縄のお笑いをどんな角度で切り取っているのかが分かります。今まで気恥ずかしくて語られてこなかった部分も含め、深みを感じられるお笑いのショーになるのではないかと思っています。

キャン×キャン/とっちゃんさん

雑誌にたとえるなら、全体を通してまるで一冊の宝物のような作品

キャン×キャン/ゆっきーさん

沖縄県内の皆さんにとっては、「このメンバーが一体何をやるんだろう?」と期待半分、想像半分で構えていると思います。「あの人と絡むのかな?」「こんなことをやるのかな?」と想像している以上に、実際には幅広いジャンルのお笑いが楽しめる内容になっています。

雑誌にたとえるなら、「このコーナーも面白い」「あのページも良かった」とページごとにワクワクできるような感覚です。全体を通してまるで一冊の宝物のような作品に仕上がっています。

また、それぞれの出演者が特化した持ち味を発揮しているので、その部分をぜひ楽しみにしていただければと思います。

キャン×キャン/ゆっきーさん

沖縄に帰ってきたら必ず行く“うまいグルメ”やおすすめスポットはありますか?

沖縄らしいグルメ・自然・文化が密集しているのが、沖縄の最大の魅力

キャン×キャン/ゆっきーさん

僕はやっぱり「沖縄そば」ですね。よく行くのは古民家風のお店「屋宜家」。必ず立ち寄ります。看板メニューは「アーサそば」。沖縄産アーサ(青さ)が練り込まれた麺とたっぷりの磯の香りが特徴。出汁もかつおの風味と豚の旨みのバランスが絶妙で、これを食べると沖縄に帰ってきたな~と落ち着きます。

遊びの面では「ジョン万ビーチ(大度浜海岸)」がお気に入りです。膝のあたりの浅瀬でも魚が泳いでいるので、シュノーケルをしなくても十分楽しめます。他のビーチだと魚を探さないと見られないことも多いですが、大度浜海岸は上から覗くだけで魚がブワッと見える。県外の人を連れて行くと本当に喜ばれますね。

沖縄といえば“海”ですが、観光用のビーチというより、自然の残る海岸で遊ぶのが魅力です。しかも車で10分ほどの場所にそういう海があるのが、沖縄の最大の良さだと思います。わざわざ高いお金を払って船に乗らなくても、すぐ近くで楽しめる。そして帰りにはコインシャワーもあって、サッと洗って帰れるのも嬉しいポイントです。

キャン×キャン/ゆっきーさん

屋宜家(やぎや) 沖縄そばと茶処

沖縄古民家で味わう沖縄そばとスイーツ。
ゆったりとした時の流れの中でお食事を楽しんでいただき、心地よいひと時をお過ごしください

住所
八重瀬町大頓 1172

詳しくはこちら

沖縄らしいローカルハンバーガーといえば・・・

キャン×キャン/とっちゃんさん

グルメでいうと、僕は『ジェフ』をおすすめしています。以前、番組で紹介したことがあるんですが、県外の人からすると『ヌーヤルバーガー』や『ゴーヤバーガー』って“なにそれ!?”ってなるんです。ゴーヤが苦手な人でも食べやすいように作られた『ゴーヤバーガー』は特におすすめ。ハンバーガーといってもビッグマックのような重さではなく、ゴーヤチャンプルーを食べているような軽さがあるんですよ。番組でもみんな“これいいね”と気に入っていました。

さらに、好みが分かれる『ルートビア』や、ツッコミどころ満載の『ゴーヤリング』(オニオンリングじゃないの!? )もあります。沖縄らしいローカルハンバーガーといえば、やっぱりジェフですね。

観光スポットとしては、渡嘉敷島をお勧めします。慶良間諸島の中でも観光の拠点として人気の島で、「ケラマブルー」と呼ばれる海を代表する美しい自然に恵まれています。那覇泊港から高速船で約35分と、日帰りできる離島という点も魅力です。

キャン×キャン/とっちゃんさん

連載・おきなわ41物語/海も山も楽しい!渡嘉敷島

海と緑を満喫できる慶良間諸島最大の島「渡嘉敷島」

渡嘉敷島は起伏に富んだ地形で、山林も発達しているため、マリンレジャーはもちろん、陸上でトレッキングやネイチャーウォーキングも楽しめます。
国立公園に指定された慶良間諸島の中でも、渡嘉敷島は特にエコツーリズムへの取り組みが評価され、世界水準のナショナルパークに育てる場所として選ばれました。

詳しくはこちら

最後に一言お願いします!

出演者の魅力を伝えきるMCに、ぜひご期待ください!

キャン×キャン/ゆっきーさん

今回の出演者は全員、司会ができるくらいの実力者なんです。もちろん僕も頼りながら進めていきますが、舞台の尺の関係で「本当は言いたかったこと」を話しきれない方も出てくるかもしれません。そういう部分を把握して補足し、観客の皆さんにちゃんと伝えるのがMCの役割だと思っています。せっかくの豪華メンバーなので、それぞれの良さをきちんと初めてのお客さんにも届けたいですね。

キャン×キャン/ゆっきーさん

豪華メンバーと一緒に、僕が一番ワクワクしています!

キャン×キャン/とっちゃんさん

最初にこのお話をいただいたときは、ものすごいプレッシャーを感じました。でも「誰々さんも出演が決まった」「あの方も決まった」と聞くたびに、不思議とそのプレッシャーが和らいでいって、むしろ頼もしさが増していきました。正直、お客さんとして見たいくらいなんですよ。それくらい豪華なメンバーなので。だからこそ、自分自身が一番楽しみにしています。ぜひ皆さんにも、この面白い舞台を味わいに来てほしいですね。

キャン×キャン/とっちゃんさん

公益財団法人沖縄県文化芸術振興会 大城 亜子さん(すいんちゅまーまー)から一言

世代を超えて楽しめるイベントになれば嬉しい/私も舞台に立ちます!

公益財団法人沖縄県文化芸術振興会 大城 亜子さん(すいんちゅまーまー)

私はお笑い芸人なので、「お笑いの歴史を振り返るイベントをやりたい」と思いました。個人的に憧れているのが女性芸人の仲田幸子さん。そして、私が見て育った泉&やよいさん。このお二組とはぜひ共演したい、という思いから企画がスタートしました。

どうすればこのお二組と共演できるかを考えたとき、「沖縄の歴史を振り返るイベントなら実現できるのでは」と思い至り、そこから「沖縄の歴史」そして「お笑いの歴史」というテーマにつながっていきました。やはり一番大きなきっかけは、自分自身がお笑いの歴史をたどるイベントをやりたいという思いです。

また、祖母から「収容所で見る芝居が唯一の楽しみだった」と聞いていたことも影響しています。戦後は畑仕事で大変な毎日だったけれど、芝居を見ることで疲れを吹き飛ばしていたそうです。そうしたエンターテインメントやお芝居が、戦後の沖縄の復興を支える力になったのではないか――私の中にはずっとその思いがありました。だからこそ、世代を超えて楽しめるイベントにできればと考えています。

公益財団法人沖縄県文化芸術振興会 大城 亜子さん(すいんちゅまーまー)

沖縄観光PR大使 花笠マハエ

笑いまショーおきなわの稽古風景をマハエがレポート予定です!
どうぞお楽しみに!

沖縄観光PR大使 花笠マハエ

その他の類似イベント

笑いまショー おきなわ オリオンリーグと歌って旅するお笑いバスツアー~戦後復興を辿る旅~

沖縄県と(公財)沖縄県文化芸術振興会が造成した旅行商品、オリオンリーグと歌って旅するお笑いバスツアーを実施します。
ツアー最後には、沖縄県の戦後80周年平和祈念事業の一環として開催する「お笑いで見る戦後史笑いまショーおきなわ」公演を鑑賞!
舞台の前に、南部戦跡や戦後復興の象徴である壺屋まちま~いを旅し、鑑賞への期待を高めます!

詳しくはこちら

戦後80周年平和祈念事業~伝統芸能で繋ぐ平和の心~

公益財団法人沖縄県文化芸術振興会では、沖縄の芸能文化を軸に、平和のメッセージを国内外に発信するため「戦後80周年平和祈念事業~伝統芸能で繋ぐ平和の心~」(以下「平和の心事業」)を実施いたします。 「平和の心事業」では、伝統芸能の公演を北野文芸座(長野県)で開催すると同時に、沖縄戦で失われかけた伝統芸能がいかにして戦後の沖縄を支え復活するに至ったのかを展示する歴史展なども予定しております。 ぜひ多くの皆様にご来場いただきたく存じます。

■公演日:2026年1月17日(土)
■会場:北野文芸座(長野県長野市西後町1625)
※チケット販売方法については、決定後に本ホームページ等で公開いたします。
長野公演紹介チラシ.pdf

詳しくはこちら

一緒に読みたい記事

歴史と伝統に培われ、受け継がれてきた沖縄伝統芸能の数々

かつて琉球王国として栄え、独自の歴史と文化を育んできた沖縄県では、今もなお数多くの伝統芸能が息づいています。
今回は、沖縄ならではの芸能の数々を公益財団法人沖縄県文化芸術振興会の石嶺さんと野原さんにお聞きしました。

詳しくはこちら