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連載・おきなわ41物語/海も山も楽しい!渡嘉敷島

掲載日:
2023.10.20

41、それは沖縄県にある市町村の数です。
本連載「おきなわ41物語」では、41市町村のイマの魅力を現地ライターが独自取材。

地元民しかしらない地域ならではの魅力や穴場スポット、とっておきの寄り道グルメなど、沖縄をもっともっと好きになってしまうような、唯一無二の旅のアイデアを紹介してまいります。

41の物語とともに、新しい沖縄を再発見してみませんか?

今回訪れたのは、海と緑を満喫できる慶良間諸島最大の島「渡嘉敷島」

沖縄本島からフェリーで約70分ほど行くと、世界中の人々を魅了する「ケラマブルー」と豊かな緑が広がる渡嘉敷島に到着します。
渡嘉敷島は起伏に富んだ地形で、山林も発達しているため、マリンレジャーはもちろん、陸上でトレッキングやネイチャーウォーキングも楽しめます。
国立公園に指定された慶良間諸島の中でも、渡嘉敷島は特にエコツーリズムへの取り組みが評価され、世界水準のナショナルパークに育てる場所として選ばれました。現在もサンゴの保護をはじめ、さまざまな自然保護活動に取り組んでいます。

INDEX

| Access |渡嘉敷島までの行き方

渡嘉敷島へのアクセス

・那覇泊港から渡嘉敷港まで高速船 「マリンライナーとかしき」で約40分、「フェリーとかしき」で約70分
・阿嘉港から渡嘉敷島阿波連港までオンデマンド運行「みつしま」で約20分
・座間味港から阿嘉港経由、渡嘉敷島阿波連港までオンデマンド運行「みつしま」で約35分

| interview |新たな発見がある、おすすめの目的地を教えてください

那覇市の西方海上に位置する渡嘉敷島。色とりどりのサンゴや魚、ウミガメなどが暮らし人々を魅了する海「ケラマブルー」が有名ですが、今回はガイドブックに載っているような有名な観光スポットではなく、まだあまり知られていない緑豊かな絶景が広がる渡嘉敷の山や森などの魅力を紹介するために、地域を知り尽くした地元の皆さんにこんな質問をしてきました。

「新たな発見がある、おすすめの目的地や新しい楽しみ方を教えてください」

この問いに答えてくれたのは、sunny coral合同会社代表の池松来さん。池松さんは、渡嘉敷の魅力を伝えるツアーガイドやお弁当屋さんを経営するかたわら、気軽にゴミ拾いなどを行い地域貢献ができるプロジェクトマナティーにも取り組んでいます。そんな池松さんから渡嘉敷の様々な魅力を教えていただきました。さっそく紹介していきましょう!

池松 来さん

sunny coral合同会社 代表

広島県出身。2011年に渡嘉敷島へ移住して約13年。元ダイビングインストラクターとして活動し、これまでの経験を活かして現在は渡嘉敷島で海の魅力はもちろん、サイクリングや山の散策など海以外の魅力も発信中。また、ツアーガイド以外にもお弁当屋さんを経営中。

sunny coral

ボリュームたっぷりな食事を味わえるテイクアウト専門店!

島で採れた食材などを使って作られたお弁当やサンドイッチなどが味わえるテイクアウト&デリバリー専門店。また、さまざまなツアーや体験メニューも開催。

【住所】渡嘉敷村渡嘉敷172番地
【営業時間】7:30~13:30
【定休日】日曜日
【電話番号】 090-3632-9329

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おすすめ①

気軽に楽しめるe-Bikeツアー!自然を身近に感じながら島の絶景を望める!

おすすめ②

種類豊富な体験メニュー!沖縄の伝統料理や自然などを満喫

おすすめ③

島に住む夜行性の生き物や星空などを楽しめるナイトツアー!

おすすめ①気軽に楽しめるe-Bikeツアー!自然を身近に感じながら島の絶景を望める!

最初のおすすめポイントは、渡嘉敷島の海はもちろん、緑豊かな山を満喫できるe-Bikeツアーです。渡嘉敷島は、中央部から北側にかけて200mを超す山々が連なっていたりと山林も発達しているため、マリンレジャーはもちろん、山のアクティビティーも楽しむことができます。ツアーではアップダウンの激しい道が多くありますが、e-Bikeは電動アシスト付きの自転車のため、体力に自信のない方でも気軽に運転することができます。それでは、島の最高峰の絶景を一望できるツアーの様子をご紹介したいと思います。

まずはe-Bikeの使い方や交通に関してのオリエンテーション

ツアーを始める前に、まずはe-Bikeの使い方や乗り方、渡嘉敷島の交通に関する情報をレクチャーしてもらいます。
その後は、広い港で試し乗りを行い、サイクリングスタートです。

沖縄本島を一望できる東展望台

しばらくe-Bikeを走らせていると、島でもっとも高い赤間山に建つ ”国立沖縄青少年交流の家" の敷地内にある「東展望台」へ到着。こちらの展望台からは、チービシ(神山島、ナガンヌ島、クエフ島の総称)や儀志布島、黒島、瑞島、中島、前島の他に、沖縄本島も一望することができます。解放感バツグンな絶景は、時間を忘れて眺めていたくなります。

座間味島をはじめ慶良間の島々を一望

こちらでは座間味島や阿嘉島、慶留間島、外地島、さらに無人島である安室島や屋嘉比島など慶良間諸島の島々を一望でき、阿嘉島と慶留間島を結ぶ阿嘉大橋や船なども肉眼で眺められます。また、夕暮れには青色とオレンジ色の空のグラデーションに映し出される島々の美しい景色に出会えます。

海の絶景以外にも山の自然を身近に

透き通る海が特徴の”ケラマブルー”が有名な渡嘉敷島ですが、海以外の壮大な山々も魅力の一つです。ツアーで走る道のりには、緑豊かな亜熱帯の木々が山々を彩り、自然を身近に感じることができます。1月から2月ごろにかけては、緑深い山々に映える緋寒桜の花も楽しめます。

ビーチと一緒にキッチンカー「ボンボヤージュ」で昼食を堪能

渡嘉志久ビーチのそばにあるホットサンドなどの多国籍料理を味わえるキッチンカーが「ボンボヤージュ」です。スパイスの効いたポークや2種類のチーズなどがバケットで挟まれ、マスタードがアクセントとなった、おすすめメニューの”キューバサンド”は絶品です。サンドのレギュラーサイズはバケットの1/2本分あるのでボリューム満点です。目の前にひろがる渡嘉志久ビーチでランチを堪能するのもおすすめです。

BONVOYAGE(ボンボヤージュ)

多国籍料理のキッチンカー

【住所】沖縄県島尻郡渡嘉敷村渡嘉敷1919
【営業日】晴れた日にオープン
【定休日】不定休 ※オープン情報はInstagramにて公開

詳細はこちら

ケラマブルーを堪能できる慶良間海峡展望所

慶良間海峡展望所からは、ターコイズブルーとコバルトブルーのコントラストが美しい”渡嘉志久ビーチ”とその周りを囲う緑を一望できます。高台から眺める景色は爽快感抜群です。雲の影や太陽の光で移り変わる景色を、雲の流れと一緒に楽しむこともできます。

様々なマリンアクティビティを楽しめる「阿波連ビーチ」

ツアーの締めくくりは、渡嘉敷島を代表する800mの白砂の”阿波連ビーチ”へ。こちらでは、さまざまなマリンアクティビティが楽しめ、パラソルなどのレンタル用品も充実しています。また、トイレやシャワー室も完備されているので安心してビーチを利用することができます。ビーチ周辺には飲食店も複数あり、ビーチで遊んだ後に立ち寄ることもできます。

■e-Bikeツアーのお問合せ先:Sunny Coral合同会社
TEL/090-3632-9329

おすすめ②種類豊富な体験メニュー!沖縄の伝統料理や自然の恵みを満喫

e-Bikeツアーで渡嘉敷島の海や山の魅力を堪能したあとは、地元の方が一から教えてくれる体験をご紹介!体験メニューは、沖縄の伝統料理作り体験、今流行りのオリジナルドリンク作り体験、服を着たままケラマブルーを堪能できるアクティビティー体験と、バリエーション豊かな内容となっています。

沖縄の伝統料理 ”ムーチー&月桃茶" 作り体験

こちらの体験では、沖縄の伝統料理ムーチーの昔ばなしを聞きながら、ムーチーと月桃茶作りの体験ができます。ムーチーはさつまいもや米粉などを使って作られ、それらを練って月桃の葉に包んで蒸していきます。月桃茶は、月桃の葉を千切りにして煮だしていきます。緑から紅茶のような色に変わっていくので、変化する様子も楽しめます。

「ムーチー(鬼餅)」とは、月桃やクバの葉に餅を包んで蒸した餅菓子のことを言い、旧暦の12月8日「ムーチーの日」にはムーチーを神仏におそなえし、子どもの成長を願う行事が行われます。また、赤ちゃんが誕生した家庭が初めてムーチーを迎えると、ハチムーチー(初鬼餅)といい、親戚や隣近所にムーチーを配ります。

■お問合せ先:Sunny Coral合同会社
TEL/090-3632-9329

ムーチー&月桃茶作りを教えてくださったのは、島の皆から”はじめちゃん”と呼ばれている渡嘉敷村生まれの金城 肇さんです。肇さんは15歳まで島で育ち、進学や就職のために一度島を離れたが、帰島して実家を民宿として開業し、ダイビングのガイドとしても活動。還暦を迎えてからは渡嘉敷村集落のガイドや沖縄料理、民具づくりの体験などに取り組んでいます。

今話題の "クラフトコーラ" 作り体験

こちらの体験では、世界に一つだけのオリジナルクラフトコーラ作りの体験ができます。体験で使われる材料には渡嘉敷島で採れた物も使われています!まず初めにスパイスの特徴などを教わり、完成されたクラフトコーラの味見をした後、材料が書かれた紙に自分好みのスパイスをチョイス。それらを一つの鍋に入れて煮込んでいきます。最後は作ったクラフトコーラの試飲が楽しめます。余ったクラフトコーラの原液と自分の家でも作れるキットをお土産としてもらえます。

■お問合せ先:ちゅるおかや
https://www.instagram.com/churuokaya/

クラフトコーラ作りを教えてくださったのは、北海道出身の山岡 勝広さんです。勝広さんは20年前に渡嘉敷へ移住。2023年3月まで旧港待合所2階で営業を行っていた「ちゅるおかや」の店舗は閉め、同じ名前で渡嘉敷港ターミナルにてお土産などの様々な商品を販売中。また自然と学びをテーマにしたワークショップにも取り組んでいます。

渡嘉敷の海中を探索できる ”イエローサブマリン”

服を着たまま海中の景色を楽しめるアクティビティー”イエローサブマリン”では、透き通る海と一緒にカラフルな魚やウミガメ、サンゴなど様々な海の生き物を鑑賞できます。また、ウミガメはかなりの高確率で発見することができます!
海の中には青色や緑色など様々な色のサンゴがあり、陸と同じように海の中にも森のような光景が広がっています。

■お問合せ先:I.M.S(アイランドマリンサービス)
TEL/098-987-2010

おすすめ③島に住む夜行性の生き物や星空などを楽しめるナイトツアー!

このツアーは、夜行性の生き物たちを観察しながら散歩するナイトツアーです。ガイドさんと一緒なので安全に観察できます。青い空や透き通った海など自然豊かな絶景が広がる昼間の光景とは全く違う、街灯のない真っ暗な自然の中を懐中電灯を持って散策します。

夜のビーチには、日中には見られない夜行性の生き物たちがやってきます。足跡をたどるとヤドカリや、砂浜の穴から現れ高速で駆け回るカニなど、それぞれの生態について聞きながら散策を楽しめます。

夜空にはリュウキュウコノハズクとホルストガエルの鳴き声が響きます。

暗さ、波の音しか聞こえない感覚、昼には見かけなかった生き物たちとの出会い等々、渡嘉敷島の違う一面を楽しむことができました。ゆっくり進むため、幅広い年齢層の方が参加できます。特に生き物好きのお子様にはぴったりのツアーです。事前予約をするとガイドさんが宿泊先まで迎えに来てくれるので安全・安心に参加できます。

■お問合せ先:Sunny Coral合同会社
TEL/090-3632-9329

| model course |紹介スポットも回れる、とっておきの旅プラン

【渡嘉敷島】海も山も楽しい!e-Bikeと徒歩で巡る2泊3日の旅

海と緑と触れ合いを楽しむ旅

沖縄本島からフェリーで約70分ほど行くと、世界中の人々を魅了する「ケラマブルー」と、豊かな緑が広がる渡嘉敷島に到着します。
渡嘉敷島は起伏に富んだ地形で、山林も発達しているため、マリンレジャーはもちろん、陸上でトレッキングやネイチャーウォーキングも楽しめます。ここでは、坂道でもラクラク走れるe-Bikeで渡嘉敷島の豊かな緑を楽しみます。また、集落周辺では歩いて巡り、各種体験を通じて地元の方々とも触れ合います。
渡嘉敷島常連の方々も、いつものダイビングのスケジュールにちょい足し、家族旅行にちょい足しで、渡嘉敷島の違う一面を楽しんでみてはいかがでしょうか。

モデルコースを詳しく見る

| 編集後記 |おきなわ物語編集部

渡嘉敷島はアップダウンが多く、平坦な道は集落のあるところだけでしたが、e-Bikeを使用したので楽に走ることができました。ガイドの池松さんの話によると「自転車に乗れる方なら、年配の方でも心配ないし、カップルなど体力差があっても気にならないところがe-Bikeのいいところ」ということで、その通りだと実感しました。これからの季節、絶景を楽しみながら気持ちよくサイクリングができると思います。また、桜の木も所々で見つけられたので、冬の季節のサイクリングも趣があって楽しめるはずです。
今回2種類の体験を行いましたが、どちらも本格的で非常に良かったです。沖縄の伝統料理 ”ムーチー&月桃茶" 作り体験は、地元出身の肇さんが渡嘉敷で古くから伝わる風習を、冗談を交えて説明し、とても楽しかったです。また、クラフトコーラ作り体験は、様々なスパイスの特徴を教えて頂いた後、自分好みのコーラを作ることができて新鮮な体験でした。
テーマである、「海も山も楽しい渡嘉敷島」を満喫することができ、もう一つ「夏も冬も楽しい渡嘉敷島」を実感することもできた取材でした。

| comment |一般社団法人渡嘉敷村観光協会からのメッセージ

一般社団法人渡嘉敷村観光協会

素晴らしい環境・資源を100年先まで

那覇の泊港から高速船で40分。日帰りで楽しめる手軽さがありながら、ひとたび島へ渡れば、そこには世界中の観光客を虜にする美しい海、豊かな自然が広がっています。
渡嘉敷村観光協会では、そんな“すぐ行けるのに別世界!”な渡嘉敷島の魅力を来島者の皆さんとシェアしながら、その素晴らしい環境・資源を100年先に伝えていくために様々な活動、事業を推進しています。

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