歴史と伝統に培われ、受け継がれてきた沖縄伝統芸能の数々
- 掲載日:
- 2025.06.03
かつて琉球王国として栄え、独自の歴史と文化を育んできた沖縄県では、今もなお数多くの伝統芸能が息づいています。
今回は、沖縄ならではの芸能の数々を公益財団法人沖縄県文化芸術振興会の石嶺さんと野原さんにお聞きしました。
石嶺李安さん・野原紗稀さん
公益財団法人沖縄県文化芸術振興会
石嶺李安さん
糸満市出身。沖縄県立芸術大学琉球芸能専攻を卒業、同大学院舞台芸術専攻を修了。2022年には琉球新報社主催の琉球古典芸能コンクール舞踊最高部門を受賞。2024年より(公財)沖縄県文化芸術振興会に勤める。
野原紗稀さん
南風原町出身。沖縄県立芸術大学琉球芸能専攻を卒業。2019年には琉球新報社主催の琉球古典芸能コンクール舞踊部門最高賞を受賞。2025年より(公財)沖縄県文化芸術振興会に勤める。
伝統芸能のご紹介と公演情報
一言で沖縄の伝統芸能と言っても、舞踊や音楽、芝居など実に多種多様です。かつて沖縄が琉球王国として栄華を究めていた頃に起源を持つものが多く、そこから様々な歴史を経て現代へと受け継がれています。いにしえの中国や日本の文化に影響を受けながら独自の進化を遂げてきた“沖縄伝統芸能”の特徴をご紹介します。
琉球舞踊
宮廷で踊られた古典舞踊や、庶民の暮らしを描いた雑踊など多彩な舞の数々
琉球王国時代に生まれた古典舞踊や、明治以降に生まれ庶民の暮らしを描いた雑踊など、琉球舞踊は沖縄の人々の気持ちや日常の風景を表現します。独特の衣装や小道具にもご注目ください。
組踊
300余年伝わる琉球王国の芸能。ユネスコ「無形文化遺産」に登録された、沖縄の誇り
琉球王国時代より受け継がれる歌舞劇で、独自の台詞・琉球古典音楽・琉球舞踊の所作によって構成されます。1719年に中国皇帝の使者である冊封使を歓待するために、当時、踊奉行であった玉城朝薫により創作されました。300余年伝わる琉球王国の芸能をお楽しみください。
沖縄芝居
うつりゆく時代の中で、何度観ても沖縄の心を感じることの出来る名作たち
明治時代以降に誕生し、庶民の娯楽として広がり親しまれてきました。人情劇や喜劇、歌や踊りを取り入れた歌舞劇など、根強いファンが多くいる沖縄芝居のバラエティ豊かな演目が楽しめます。
三線等音楽
琉球を感じさせ、歌や踊りに命を吹き込む音色の響き
三線等音楽は、歌・三線を中心とした箏、笛、太鼓、胡弓からなる琉球芸能において欠かせない音楽です。独唱、斉唱、合奏など三線等音楽が奏でる舞台をお楽しみください。
八重山舞踊
八重山諸島で受け継がれる、生活に密着した舞踊が魅せる八重山の心
八重山地方発祥の舞踊です。琉球舞踊の影響は受けながらも、地域に伝わる祭りや神々に感謝を捧げる奉納舞踊の影響を受けた踊り、農作業の様子や人々の日々の生活の場面を切り取った踊りなど、琉球舞踊とは違った八重山独自の香りのする芸能が楽しめます。
沖縄民俗芸能
一つとして同じものはない、各島々に伝わる多彩な芸能
沖縄各地の島々、村々で生まれた民俗芸能は、今も沖縄各地で演じられ、人々の心を結び受け継がれています。棒踊りや獅子舞、芝居、組踊など、それぞれの地域の特色ある芸能をお楽しみください。
かりゆし芸能公演とは
かりゆし芸能公演は、県民及び観光客のみなさまに伝統芸能の鑑賞機会を提供するほか、若手実演家の育成や、次世代を担う子どもたちが沖縄の伝統芸能に触れる機会を創ることを目的として、琉球舞踊、組踊、三線等音楽、沖縄芝居等を幅広く実施します。
それぞれの分野で日々研鑽し、芸能文化の更なる発展に邁進している実演家たちの舞台をお楽しみください。
公演区分
国立劇場おきなわでの公演の他、県内各地(離島含む)で実施する公演や、子ども達が伝統芸能に触れる機会の創出を目的とした公演など、3つの公演区分で実施されます。

















沖縄の伝統芸能にふれてみませんか?
「かりゆし芸能公演」は、若手の芸能家たちが琉球舞踊や歌三線、組踊などを披露する舞台です。
芸能を学ぶ若い世代が、本物の舞台で表現する姿は、感動と発見にあふれています。
観光で訪れた方も大歓迎。文化と出会う特別な時間を、ぜひ会場でお楽しみください。
公益財団法人沖縄県文化芸術振興会 石嶺李安さん・野原紗稀さん