沖縄の北部「やんばる」の豊かな自然に囲まれた場所で、観光客や地元の人々に大人気のアクティビティを提供する「沖縄どきどきツアーズ」。同社のサービスの特徴は、ジップラインやバギーを使ったアドベンチャーツアーを通じて、沖縄の自然や生き物の魅力を直接体験してもらうこと。ガイドと一緒にジップラインで森を滑り抜けながら、やんばるの広大な景観を眺める。バギーは自然環境を活かした迫力あるコースを巡れるなど、多くの人々を惹きつけています。やんばるの森で体験できるのは、ただのスリルだけではなく自然との一体感。個人客はもちろん、親子連れや修学旅行でも人気を集めています。
始まりは「やんばるの魅力を伝えたい!」
という情熱
同社の事業は、自然の美しさと豊かさを伝えるためにスタートしました。特にやんばるの森は、その独特な生態系と豊富な動植物で知られており、「この魅力を多くの人に伝えたい!」という同社の強い思いが事業の原点となっています。やんばるの自然を活かし、その生態系にも配慮した観光の在り方を提供することで、訪れる人々にその価値を共有することを意識したジップラインやバギー体験などのサービスは、観光客だけでなく沖縄県民にも非常に好評とのこと。沖縄県内から来訪者は、中南部からの訪問が多く、やんばるでしか見られない珍しい生き物や自然の美しさに魅了され、特に子どもたちは珍しい昆虫や動植物に興味津々で、普段なかなか訪れ、触れることのない「やんばる」の自然を再発見できます。
また同社のツアーは、沖縄観光の課題でもある「雨の日の楽しみ方」も提供。雨の日であっても泥はねを楽しむことができるバギーや、やんばるの森を颯爽と飛び回るジップラインを楽しみながら、そのひと休みの際に雨の日にしか見ることができない、緑色の可愛らしいタニシの仲間の「アオミオカタニシ」といった貴重な生物の観察もできます。雨のやんばるの森を散策することで、晴れの日とはまた違った景観や自然を感じることができ、このような、やんばるの季節・天候・時間といった、すべての魅力を活かしたサービスの提供は同社の思いである「この魅力を多くの人に伝えたい!」に繋がっています。
(上)やんばるの森を颯爽と飛びまわるジップライン
(下)やんばるの森ならではの生態系に出会えるのも魅力。左は「アカハライモリ」、右は「アオミオカタニシ」
環境と安全への配慮に、苦労と工夫が
やんばるの魅力は、季節や時間によって、見られる生き物や自然がまったく違うこと。伝えたい資源は沢山あるものの、サービスを提供する上での課題も少なくありません。例えば、やんばるの森を観光用として整備するには常に慎重な判断が求められます。バギーやジップラインのコースを整備しすぎると、景観を損ねてしまい生態系に影響を与えるリスクがあるため、最小限の手入れで、最大の楽しさを提供することが求められます。
また、様々な制約条件があるなかで、お客様の安全を最優先にしながらも同時に自然を守り、体験後も楽しんでもらえるような工夫をすることも同社が担うべき使命となっています。持続可能な観光サービスの提供には楽しみの提供に加えて、環境への配慮を心掛ける必要があるため、毎日のコース点検では足元の安全を確保する際に地面をならしたり、柵を設置するなどの対策も行っています。また、その日の気温や天気を確認しながら環境や景観への配慮と、お客様やスタッフへの安全確保も徹底しています。
バギーのコースも「環境保全・安全性・楽しさ」のそれぞれを考慮し、設計・整備されている。
地域との交流と連携で付加価値の提供を
この夏、ナイトジップラインと称して、夜空に輝く星を楽しみながらの体験も季節限定で行いました。普段から提供している定番のサービスに、こうした季節や時間の「限定」という価値組み合わせること。それが付加価値となり好評を博したとのこと。さらにこうした取組を推進する際に地元との連携を図ることで、お客様と同社の双方にメリットが生まれました。TVで注目を集めた名物ガイドを招聘してのイベントでは、地元の公民館や施設の協力を得ることで、同社の体験や東村の魅力を知ってもらうきっかけとなり、地域の方々の協力も得ながらイベントは大成功。地域も新たな集客を生み出す方法として手ごたえを感じてもらえました。
やんばるの森の自然環境を活かしたアクティビティは
大人から子供まで大人気!
さらに、地元の観光施設と連携し、修学旅行シーズンには他の事業者が提供するカヌーなどのアクティビティと共に、ジップライン体験も取り入れていただくことで、東村の観光資源の魅力の拡大に繋がったことも。こうした地元密着型の観光ビジネスを発展することで、地域活性化も牽引しています。
お客様が仲間に。そんな未来を描く。
やんばるの森の価値を次の世代に伝えること。
そのような“思いの循環”が
将来の沖縄観光を盛り上げることに繋がると信じて。
同社は、今後も地元の自然を活かした持続可能な観光を目指しています。特に、やんばるの魅力をさらに多くの人々に知ってもらうため、地元の子どもたちが将来エコツアーガイドとして活躍できるような「きっかけを提供する」ことも力を入れていきたい目標の1つです。
修学旅行などで施設を訪れた学生が自然保護に関心を持ち、将来、同社のような自然環境を活かしたツーリズムを職業として選択する。そうすることで、やんばるの生態系を守り楽しみながら、観光業だけでなく地域全体の活性化を図り発展していく。そんな未来を描いています。
自然を守りながらの観光事業
同社はやんばるの自然を大切にし、最小限の整備で最大の体験を提供することを目指しています。これは、観光事業者が持続可能なビジネスを実現するために必要な視点。また、そのような配慮をツアーで解説することで、お客様に対して環境保全の意識づけも行っています。これからの沖縄観光は楽しみを提供するだけでなく、お客様も一緒に環境保全に関わっていることをインプットするのが、観光事業者に求められる使命かも知れません。
地域と連携し、共存する観光モデル
地元住民との連携を大切にし、観光客だけでなく地域の人々にも利益をもたらすモデルを築き上げること。お互いがWin-Winな関係になるようにそのプロデュースを担うのも重要な視点です。このようなパートナーシップは、これからの沖縄の地域経済の活性化と持続可能な観光の鍵となることでしょう。
- 住所/沖縄県国頭郡東村慶佐次718-28 又吉コーヒー園
- 電話番号/0980-43-2666
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