資源を活用し伝統の文化を守る
よなは民具の3つの取り組み
- 1 島の生活に根付く民具をつないでいく
- 2 伝統の文化、風習を守る
- 3 在来馬の与那国馬について知ってもらう
「よなは民具」は、1,700人ほどが暮らすのどかな与那国(よなぐに)島の、祖納(そない)集落に工房をかまえ島の生活に根付く民具をつくっています。
植物のみで作る生活道具
主な材料となるのはクバの葉。島に多く自生し、与那国町の木にも指定されています。
ヤシ科の木で、とても大きな葉はアコーディオンのような伸縮性があるひだを持ちます。与那国島では、八重山(やえやま)の他の島に多く自生する「月桃」よりもクバの方が圧倒的に多いとのこと。お餅も泡盛の瓶もクバで包まれます。
与那国島では現在にいたるまで、島の植物をつかった民具が生活の道具として使われています。よなは民具の代表的な商品である“ウブル”は水汲み。今でも、島の年中行事やお葬式では香炉として用いられ、島の暮らしに欠かせないものです。50代以上の島の人はみなさっと作れるくらい身近なものだとか。
それでも、日頃から作っているのはよなは民具だけで、民具はもう1軒、トウツルモドキというツル性の植物を材料とした民具を作っている工房があるのみです。
主な材料となるのはクバの葉。島に多く自生し、与那国町の木にも指定されています。
ヤシ科の木で、とても大きな葉はアコーディオンのような伸縮性があるひだを持ちます。与那国島では、八重山(やえやま)の他の島に多く自生する「月桃」よりもクバの方が圧倒的に多いとのこと。お餅も泡盛の瓶もクバで包まれます。
与那国島では現在にいたるまで、島の植物をつかった民具が生活の道具として使われています。よなは民具の代表的な商品である“ウブル”は水汲み。今でも、島の年中行事やお葬式では香炉として用いられ、島の暮らしに欠かせないものです。50代以上の島の人はみなさっと作れるくらい身近なものだとか。
それでも、日頃から作っているのはよなは民具だけで、民具はもう1軒、トウツルモドキというツル性の植物を材料とした民具を作っている工房があるのみです。
よなは民具を営む與那覇桂子さんと子どもたち。桂子さんは沖縄本島出身で、本島の高校の郷土芸能部で後輩だった、与那国島出身の有羽(ゆうう)さんと出会い、2011年に与那国に嫁いできました。
島に来てからふたりとも別の仕事をしていましたが、有羽さんは島の行事などに合わせ民具をずっと作り続けていました。小さな頃から、有羽さんは唄三線や島言葉に、桂子さんは琉球舞踊と組踊に親しみ、沖縄県立芸大でも学んだふたりは、島の伝統行事では大忙し。
もともと有羽さんの祖父母は島の中でも民具作りに長けていたご夫婦で、それを見て育った有羽さんも自然と作れるようになったのだとか。
島の生活に必要なものではあるけれど、積極的に制作している人はおらず、なくしてはいけない、そして、どうにか技術をつないでいきたいと考えながら制作活動をしていたところ、島内だけでなく島外のショップなどからも民具の注文が入るようになり、2016年に屋号を決めて活動をスタートさせました。
よなは民具を営む與那覇桂子さんと子どもたち。桂子さんは沖縄本島出身で、本島の高校の郷土芸能部で後輩だった、与那国島出身の有羽(ゆうう)さんと出会い、2011年に与那国に嫁いできました。
島に来てからふたりとも別の仕事をしていましたが、有羽さんは島の行事などに合わせ民具をずっと作り続けていました。小さな頃から、有羽さんは唄三線や島言葉に、桂子さんは琉球舞踊と組踊に親しみ、沖縄県立芸大でも学んだふたりは、島の伝統行事では大忙し。
もともと有羽さんの祖父母は島の中でも民具作りに長けていたご夫婦で、それを見て育った有羽さんも自然と作れるようになったのだとか。
島の生活に必要なものではあるけれど、積極的に制作している人はおらず、なくしてはいけない、そして、どうにか技術をつないでいきたいと考えながら制作活動をしていたところ、島内だけでなく島外のショップなどからも民具の注文が入るようになり、2016年に屋号を決めて活動をスタートさせました。
島にもともとある資源を活用
ウブルのほかに制作しているのは、クバ扇(写真左上)、団扇(写真左下)、鍋敷きなどとしてつかうカブチ、柄杓のティー(手)ウブル、流木にクバの葉をつけたほうきなど。すべて手作業で作られています。結ぶひももクバの葉を割き、よりをかけて強度をもたせて作ります。物によっては竹を用いるなど、すべてが植物だけで作られています。
上の写真はよなは民具のクバ畑で、有羽さんのおじいさんがクバを植え始めた場所。育った木からはこぼれ種が落ちて新しい木が育ち、手を加えなくとも、自然に任せて約30年、ずっときれいな葉を収穫できているそう。「じいちゃんが植えていてくれたから、私たちはこの仕事ができる」と桂子さんはいいます。
ウブルのほかに制作しているのは、クバ扇(写真左上)、団扇(写真左下)、鍋敷きなどとしてつかうカブチ、柄杓のティー(手)ウブル、流木にクバの葉をつけたほうきなど。すべて手作業で作られています。結ぶひももクバの葉を割き、よりをかけて強度をもたせて作ります。物によっては竹を用いるなど、すべてが植物だけで作られています。
右の写真はよなは民具のクバ畑で、有羽さんのおじいさんがクバを植え始めた場所。育った木からはこぼれ種が落ちて新しい木が育ち、手を加えなくとも、自然に任せて約30年、ずっときれいな葉を収穫できているそう。「じいちゃんが植えていてくれたから、私たちはこの仕事ができる」と桂子さんはいいます。
日陰で育った葉が柔らかく民具作りに向いていて、収穫した葉は夏場は3日ほど、冬は1週間ほど天日で乾燥し、民具作りにとりかかります。ひとつ数分でできるものもあるけれど、竹を曲げたり手がこんでいる団扇などは、ひとつ作るのに丸1日ほどかかかるのだそう。
こうして時間をかけて作られた民具は、島内での販売、県外で開催される沖縄物産展、県内外のセレクトショップなどで販売しています。特にセレクトショップからは注文がよく入り、制作が追いつかないほどなのだそう。
与那国島の学校の授業で民具作りワークショップをお願いされることも。島の子は、やはり民具が身近なのでささっと作れる子が多いのだとか。こういうことをきっかけに興味を持ち継承につながればと考えているそう。
以前、沖縄本島の離島フェアでウブルを作っていたら、本島の方が「なつかしい」と声をかけてきたのだそう。つれていたお孫さんに「昔はこれで水を汲んでいたんだよ」と話していたのだとか。
こうして時間をかけて作られた民具は、島内での販売、県外で開催される沖縄物産展、県内外のセレクトショップなどで販売しています。特にセレクトショップからは注文がよく入り、制作が追いつかないほどなのだそう。
与那国島の学校の授業で民具作りワークショップをお願いされることも。島の子は、やはり民具が身近なのでささっと作れる子が多いのだとか。こういうことをきっかけに興味を持ち継承につながればと考えているそう。
以前、沖縄本島の離島フェアでウブルを作っていたら、本島の方が「なつかしい」と声をかけてきたのだそう。つれていたお孫さんに「昔はこれで水を汲んでいたんだよ」と話していたのだとか。
それから、桂子さん親子は、NPO風馬(ふうま)与那国倶楽部の活動として、毎日朝夕、8頭の与那国馬の世話をしています。
与那国馬は日本に8種残っている在来馬の一種で、保全活動が行われています。風馬では、観光の方に乗馬体験をしてふれあってもらうことで、小柄で優しい与那国馬について知ってもらい、保全につながればと考えているのだそう。
桂子さんは、昔の人たちが誰でも作っていた物を、今の人たちが素敵だと感じて買ってくれたり、体験を通して興味をもってくれることに喜びを感じるそう。そして、「何もなくても葉っぱひとつでこんな道具ができる。なんでも買うのが当たり前じゃなくて、自分で身近にある物で作れるかもしれないって感じてくれたら嬉しい」と話します。
民具づくりを通じて、私たちが暮らす島の自然や、文化や歴史を知ってもらうことで、観光で訪れる方々にこの島を好きになってもらえたらと考えています。それが島の魅力を未来に繋げるということかなと。
桂子さんは、昔の人たちが誰でも作っていた物を、今の人たちが素敵だと感じて買ってくれたり、体験を通して興味をもってくれることに喜びを感じるそう。そして、「何もなくても葉っぱひとつでこんな道具ができる。なんでも買うのが当たり前じゃなくて、自分で身近にある物で作れるかもしれないって感じてくれたら嬉しい」と話します。
民具づくりを通じて、私たちが暮らす島の自然や、文化や歴史を知ってもらうことで、観光で訪れる方々にこの島を好きになってもらえたらと考えています。それが島の魅力を未来に繋げるということかなと。
- 住所/沖縄県八重山郡与那国町与那国247-1
- 営業時間/平日9:00〜17:00/土曜10:00〜17:00
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