連載・沖縄こころの旅|旅の途中で、アートに出会う場所
- 掲載日:
- 2026.05.13
沖縄の旅を彩るのは、美しい海や豊かな自然、そして心温まる人との出会いです。
当連載「沖縄こころの旅」では、観光の舞台を支える“人”にスポットを当て、その想いや仕事、沖縄への愛を紹介します。
観光地や飲食店、体験サービスの裏側には、訪れる人を迎える多くの人の物語があります。
人を通して出会う沖縄の魅力を、少しだけ深く旅してみませんか。
INDEX
今回お伺いしたのは、那覇市小禄にあるアートギャラリー「HONNO PARK」
HONNO PARKは、沖縄県内のアーティストを中心に、平面作品、オブジェクト、工芸品、音楽など、ジャンルにとらわれないアートの企画展を定期的に開催しながら、店舗内ではアート雑貨やギャラリーオリジナルアイテムの販売を行うGALLERY&SHOPです。
HONNO PARK(ホンノ パーク)
OUR LIFE IS OUR ART.
日常をアートに、人生に彩りを。
- 住所
- 那覇市小禄3-5-7 オロクハウス2F
- TEL
- 098-952-5576
HONNO PARKで現在開催中の企画展|「ABSOLUTE GLASS」withミッチェル・ノア
自然豊かな沖縄を象徴するように色鮮やかな輝きを放つ琉球ガラス。
沖縄戦後の復興を目指すなかで誕生した琉球ガラスは沖縄の観光業を支える工芸品として重宝されてきた。しかしながら、ここ10年の間に県外の職人や若手作家の台頭により、琉球ガラスは大きな変革期を迎えている。
制作手法、またはデザインが多様化し、これまでのお土産としての価値には収まらないアート性の高い作品が増えている。
2023年アメリカから移住したMITCHELL NOAHは現在沖縄で最も注目されるガラスアーティストの一人。
彼の作り出す奇想天外でコミカルなモチーフと細部に光る繊細なディティールワークにせひご注目頂きたい。
「ABSOLUTE GLASS」withミッチェル・ノア
作者であるMitchell Noahが沖縄で暮らし、その雄大な自然やそこで生きる人々と触れ合い感じたことが作品にどう反映されているのか...彼ならではのウィットに富んだ世界観をご堪能頂きたい。
開催日時:2026年5月9日(土)~5月24日(日)
開催場所:HONNO PARK
住所:沖縄県那覇市小禄3-5-7オロクハウス2F
開催時間:11:00~18:00
定休日:木曜日
問い合わせ先:HONNO PARK 広報担当 新城(しんじょう)
電話番号:098-952-5576
HONNO PARKで開催された企画展|環境問題に向き合うアート
環境問題を打破するための重要な一歩は、私たちがごみを出さないために日常から意識すること。さらに製品や素材を大切な資源として捉え、廃棄せずに再利用・循環させる「サキューラエコノミー(循環型経済)」というビジネスモデルを推進する必要もあります。
「ARTIFACTS21」では、県内アーティストのSAKUとDENPAが廃棄前のスプレー缶や古着、古い花瓶などにペイントを施した色鮮やかなアップサイクルアートを多数展示しました。
「アートを日常に届ける場づくり」に取り組む人
新城 暖 さん
アーティスト/ギャラリーオーナー/プロデューサー/デザイナー
西表島出身。年の離れた兄に触発されて暇さあればペンを取り、オリジナルの4コマ漫画を制作。徐々に誰かのために絵を描くことに充実感を覚えるようになる。現在はアーティストとして活動しながら、那覇市小禄の築50年以上の建物でギャラリーHONNO PARKを運営し、県内外の類まれなアーティストと企画展を開催する。
ギャラリーという枠にとらわれず、公園のように誰もが気軽に立ち寄れる空間を目指し、県内外の作り手や多様な表現を紹介。沖縄での暮らしや原風景の記憶を大切にしながら、訪れる人の感性が少しひらくような体験を提案している。
インタビュー|新城 暖 さん
HONNO PARKを立ち上げたきっかけを教えてください
HONNO PARKのコンセプトを教えてください
コンセプトは、「ほんのささいな落書きでも、ときに誰かの本能を刺激し、日常を豊かにする」というアートの力を、公園のように気軽に体験できる場所にすることです。そこから、ギャラリーの名前を「ホンノパーク」と名付けました。
公園には、すべり台や砂場、ジャングルジムなど、さまざまな遊びがあり、そこで多くのことを学びながら私たちは成長してきたのだと思います。同じようにHONNO PARKでも、ジャンルにとらわれないキュレーションを意識し、できるだけ幅広い世代に楽しんでもらえる展示を心がけています。
空間づくりにおいても公園をイメージし、ジャングルジムや少年時代西表島で遊んだ公園にあったコンクリート製の椅子などを思い浮べ取り入れています。
なぜこの場所(那覇市小禄)を選んだのですか?
ギャラリーの目の前にある小禄月光公園は、見れば見るほどユニークな公園で、遊具なんてほとんどないのに暗くなるまで大勢の子供たちで賑わっています。幾何学なモニュメントやえたいのしれないコズミックな建造物はそれ自体がアート。
初めてこの物件を見たとき、ちょうど月光公園から伸びたオレンジ色の西日が建物の小窓から差し込んで、長年使われていなかった部屋に舞うほこりをキラキラ照らしました。さびはあってもいまだ健在な天井のH鋼にサッカーで遊ぶ子どもたちの楽しげな声が歓声のようにこだましました。その瞬間「よし、ここでやろう!」と決心した記憶があります。
沖縄の伝統工芸の今について教えてください
沖縄に存在する国指定「伝統的工芸品」の数は16件。これは東京と京都に次ぐ数であり、そんな魅力的な手仕事の島に暮らしていることを県民として誇りに思います。沖縄の伝統工芸は単なる手仕事の体系ではなく、南の島独自の風土と沖縄がたどってきた歴史の記憶を織り込んだ生きた文化として現在に受け継がれています。
そんな沖縄の伝統工芸が新たな局面を迎えています。後継者不足や市場の縮小といった課題が存在する一方、現代作家による再解釈やデザインとの融合が進んでいます。
例えば、1900年代初頭に産業化を成功させた琉球パナマは、当時3万人規模だった編み手も2000年には3人になるなど消滅の危機にありました。そんな状況を打破し100年後に続く産業に発展させるべく、ハットブランドの「MAISON Birth」との協働プロジェクトが進行し、HONNO PARKでは、熟練の防止クマー(職人)に制作技術を学ぶスクールを開校しながら、琉球パナマの受注会も同時に開催しました。
アートと観光の関係性についてどう思いますか?
先日、東京・大阪・京都からお客様が来店されました。なかには、昨年11月に続き2度目のご来店という方もいらっしゃり、とてもありがたく感じています。
そうした方々と触れ合うなかで、近年は旅の目的が少し変わってきているように感じます。以前は非日常を求め、沖縄であれば県外にはない青く透き通った海や、かつおだしの効いた沖縄そばといった魅力が中心でした。ところが最近では、地域のことを知ろうという思いから、地元の人と触れ合ったり、地元の人にすすめられた食堂を訪れたりする方が増えているように思います。
そういった意味で、アートに触れる沖縄の旅は、これまで知らなかった沖縄を地元の人から教えてもらい、より沖縄を好きになるきっかけになるのではないかと思います。
「連載・沖縄こころの旅」読者に一言お願いします
HONNO PARKでは、絵画やオブジェ、琉球ガラス、アクセサリー、Tシャツなど、県内外や海外のアーティストによる作品が並び、アート鑑賞とショッピングを同時にお楽しみいただけます。
沖縄を愛し、誇りを持って活動するアーティストの作品に触れることで、まだ知らない沖縄の魅力を発見し、さらに沖縄を好きになっていただければ幸いです。
また、観光案内所のように、私のおすすめの沖縄そば店や食堂、居酒屋などもご紹介いたします。どうぞお気軽にお立ち寄りください。
HONNO PARKが入居するビルの1階にあるカフェ|一月と八月
HONNO PARKが入居するビルの1階にあるカフェ「一月と八月」は、日常にそっと寄り添うくつろぎの空間です。7席の小さな喫茶室では、古道具や手仕事の品も販売されています。店名は、お店を営むご夫婦の誕生月にちなんで名付けられたそうです。トーストやコーヒー、季節のメニューを味わいながら、ゆったりとした時間が流れます。
一月と八月
7席の小さな喫茶室と古道具や手仕事の販売
住所:那覇市小禄3-5-7 1階『月光公園』側
営業日:土曜日〜水曜日9:00〜16:00
定休日:木曜日・金曜日
お支払い:現金のみ
駐車場:店舗左右に各1台
一緒に読みたい記事
アダンの葉で編む幻の帽子「琉球パナマ帽」の復活
おきなわ物語/特集記事「エシカルトラベルオキナワ」
自生するアダンの葉を使い、手仕事だけで編み上げられる帽子「琉球パナマ帽」。絶滅寸前だった技術と産業を復興させるためのプロジェクト「RYUKYU PANAMA HAND WOVEN(琉球パナマハンドウーブン)」が、那覇市小禄にある「HONNO PARK(ホンノパーク)」を拠点に、沖縄の貴重な伝統産業として次世代につなぐため、受注販売会や編み手育成スクールを開催しています。
小禄駅周辺を散策♪【連載】ゆいレール各駅巡りの旅
沖縄県唯一の鉄道、ゆいレール(モノレール)。
始発駅となる那覇空港から国際通りやショッピングセンター、首里城など主要観光スポットへアクセスするため、とても重宝されている交通手段です。
今回の記事は、ゆいレール各駅周辺の様子をライターがご紹介するシリーズの『第2弾』!小禄駅周辺のグルメや見どころをお届けします。
モノレール旅計画の参考にしてくださいね♪
【関連サイト】
この記事いいね!
0人がいいね!



































































私は長年、アパレルのセレクトショップを経営する一方で、アーティスト活動も並行して行ってきました。多くのアーティスト仲間と関わるなかで、沖縄県内にはアートを前面に打ち出したギャラリーや、若手作家が気軽に出展できる場が少ないことを実感しました。そうした場所を探してもなかなか見つからなかったため、「それなら自分でつくろう」と思ったことが始まりです。