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連載・おきなわ41物語/金武町で大人の修学旅行♪

掲載日:
2024.02.24

41、それは沖縄県にある市町村の数です。
本連載「おきなわ41物語」では、41市町村のイマの魅力を現地ライターが独自取材。

地元民しかしらない地域ならではの魅力や穴場スポット、とっておきの寄り道グルメなど、沖縄をもっともっと好きになってしまうような、唯一無二の旅のアイデアを紹介してまいります。

41の物語とともに、新しい沖縄を再発見してみませんか?

今回訪れたのは、豊かな自然とアメリカ文化が共存する町 金武町

沖縄本島のほぼ中央、緑豊かな山々のふもとに広がる金武町は、水に恵まれたエリアとして有名です。亜熱帯気候の沖縄の中でも気候が安定した地域で、豊かな自然や豊富な水資源を生かした農業や、ネイチャーアクティビティが盛ん。また、面積の約6割を米軍基地が占める町でもあり、アメリカ文化の影響を色濃く受けた町並みが広がる新開地エリアは、異国情緒あふれた雰囲気を醸し出しています。沖縄のソウルフード「タコライス」発祥の地としても知られており、観光客も多く訪れます。2011年に返還されたギンバル訓練場跡地には、野球場やフットボールセンターなど充実したスポーツ施設があり、令和に入ってから温泉ホテルや、全長800mのビーチも整備されました。今後は更なる発展が見込まれます。

INDEX

| Access |金武町までの行き方

【自動車で】
那覇から
沖縄自動車道を使用して約45分(那覇IC→金武IC)
国道・県道を使用して約90分(那覇→(国道58号線)→恩納村仲泊→(県道73号線)→石川→(国道329号線)→金武

| interview |新たな発見がある、おすすめの目的地を教えてください

金武町は、沖縄のソウルフード「タコライス」発祥の地としても知られており、キングタコス本店には観光客も多く訪れますが、今回は、THE金武町!というコンテンツだけでなく、まだ誰も知らないような金武町や、「そんな楽しみ方があったんだ!」という驚きのある場所も紹介したい!今回は地域を知り尽くしたネイチャーみらい館のみなさんに、ズバリこんな質問をしてきました。

「新たな発見がある、おすすめの目的地や新しい楽しみ方を教えてください」

この問いに答えてくれたのは、ネイチャーみらい館事務局長の仲間寛人さんとスタッフの仲間裕樹さん。「金武町の魅力は、緑豊かな山々のふもとに広がる自然。またアメリカ文化の影響を色濃く受けた町並みもあります。そして明治から大正時代の金武村は、沖縄の移民の父と呼ばれる當山久三に代表されるように、海外移民の先駆けをなした地域でもありました。このように見どころの多い金武町は、グループやご家族で修学旅行のように学びながら巡れるところだと思っています。」と語るお二人。では、お二人が勧める大人の修学旅行学びスポットを見ていきましょう!

仲間 裕樹さん(左側)、仲間 寛人さん(右側)

ネイチャーみらい館の「ユウヒロ」コンビ

仲間 裕樹(なかま ゆうき)さん 
1990年金武町生まれ。趣味は釣りとキャンプ。ネイチャーみらい館ではカヌーインストラクター、修学旅行団体、イベント団体を担当する。
仲間 寛人(なかま ひろと)さん 
1984年金武町生まれ。趣味は居酒屋巡り。特技はバレーボール。2022年よりネイチャーみらい館事務局長を務める。

ネイチャーみらい館公式ホームページ

大人の修学旅行学びスポット③

金武町の豊かな自然の中で行う体験

大人の修学旅行学びスポット①金武町の歴史

ネイチャーみらい館の「ユウヒロ」コンビ

最初の大人の修学旅行学びスポットは、金武町の歴史です。グスク時代~明治時代~大正時代~戦後と各時代の痕跡をたどりながら、奥行きのある金武町の歴史を学んでいただきたいと思います。

ネイチャーみらい館の「ユウヒロ」コンビ

金武町に人々が住み始めたのは、億首川周辺で土器などが出土していることから縄文時代と考えられています。その後11~12世紀に始まったとされるグスク時代には内陸部が中心となり、17世紀中ごろには現在の金武町と宜野座村をあわせた範囲を金武間切と呼んでいました。明治時代にはいり、廃藩置県を経て「金武間切」は「金武村」という名称になります。明治から大正時代の金武村は、沖縄の移民の父と呼ばれる當山久三に代表されるように、海外移民の先駆けをなした地域でもありました。第二次世界大戦後は1950年に勃発した朝鮮戦争の戦略拠点として、村にキャンプ・ハンセンが建設されます。基地に影響をうけつつも金武村はその後も発展をつづけ、復帰後の1980年、町制施行により「金武町」が誕生しました。

金武観音寺

戦禍を免れた古い建築様式をとどめた貴重な木造建築。
敷地内には樹齢約350年のフクギや、金武権現と水天が祀られた日秀洞があります。

住所
沖縄県国頭郡金武町金武222
TEL
098-968-2411

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観音寺のフクギ

金武観音寺のフクギは推定樹齢約350年とされており、沖縄本島各地のフクギの中でも希少な巨木と云われています。

住所
沖縄県国頭郡金武町金武222
TEL
098-968-5277(金武町教育委員会 文化財・町史編さん係)

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日秀洞

高野山で修行を積んだ日秀上人が浄土を目指して熊野から出発し、金武の富蔵津(現在の福花)に漂着した後、この地に金武観音寺を建立しました。その頃この日秀洞の鍾乳洞内に熊野三所権現を勧請し、金武権現宮を建立しました。

住所
沖縄県国頭郡金武町金武222

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ウッカガー(金武大川)

「長寿の泉」ともよばれ一日千トンもの水が湧き出る並里区の先人からの文化遺産。現在は金武町指定文化財に指定されています。

住所
沖縄県国頭郡金武町金武564
TEL
098−968−5277(金武町教育委員会 文化財・町史編さん係)

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當山久三の像

明治から大正にかけて金武町(旧金武村)からハワイをはじめ、北米・フィリピン、中南米への海外移民の先駆けとなり現在多くの人々が現地で活躍する基盤を築き上げました。當山久三は移民政策に情熱を注ぎ、1899年(明治32年)に沖縄県から初めてハワイへ移民を送りました。

住所
沖縄県国頭郡金武町金武1
TEL
098-968-6262(金武町役場 企画課)

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大城孝蔵の銅像

1910年代、十代の頃より移民に興味を持ち、早くから移民研究を始めていた大城孝蔵は、23歳の時に當山久三に勧められフィリピンに移民監督として旅立ちました。後にミンダナオ島ダバオ市で沖縄県出身の移民を多く呼び寄せ、マニラ麻栽培で成功を収めダバオ市の発展寄与しました。

住所
沖縄県国頭郡金武町金武223-1

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伊芸のガジマル

伊芸区集落のほぼ中央に位置する旧伊芸区事務所跡地に立つ、幹周3.9m、樹高11メートル、推定樹齢約300年を誇るガジュマルの巨木。地域の人々からは「フンシー(風水)ガジュマル」と呼ばれており、多くの気根を伸ばすその威風堂々とした姿は伊芸区のシンボルとして昔から親しまれてきました。

住所
沖縄県国頭郡金武町字伊芸33番地
TEL
098-968-3236(金武町役場 商工観光課)

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金武グスク

金武グスクは金武公会堂の裏手の上ヌ毛と呼ばれる丘の上に立地する、町内で唯一確認できるグスクです。時期は14〜15世紀頃とみられますが、築城年代や築城者は不明です。

住所
沖縄県国頭郡金武町金武151(金武公会堂)

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大人の修学旅行学びスポット②基地の街、金武

ネイチャーみらい館の「ユウヒロ」コンビ

次の大人の修学旅行学びスポットは、基地の街、金武です。
第二次世界大戦後、1950年に勃発した朝鮮戦争の戦略拠点として、当時の金武村にキャンプ・ハンセンが建設されました。現在も金武町の面積の半分以上を占めるキャンプ・ハンセンですが、2011年に返還されたギンバル訓練場跡地には、様々な施設が建設されて、新しい金武の風景となっています。
一方で、キャンプ・ハンセン旧ゲート1前には、「新開地」というアメリカ文化の影響を色濃く受けた町並みが広がります。

ネイチャーみらい館の「ユウヒロ」コンビ

ギンバル地区(2011年に返還されたギンバル訓練場跡地)       

2011年に返還されたギンバル訓練場跡地は、ギンバル地区と呼ばれ、野球場やフットボールセンターなど充実したスポーツ施設が整備されました。2022年9月には、県内最大級800mのロングビーチを有する、KIN サンライズビーチ海浜公園がオープンしました。

金武町ベースボールスタジアム

金武町ベースボールスタジアムは平成23年12月にオープンした天然芝の野球場です。最大2,142人を収容できる観客席と電光掲示板などを備えた本格的なつくりが特徴で、町民をはじめ県内の大会に利用されています。また、東北楽天ゴールデンイーグルスや韓国のプロチームKIAタイガースなど、プロ野球球団や大学の野球部が春季キャンプなどで活用されています。

住所
沖縄県国頭郡金武町字金武11053
TEL
金武町体育施設(098-968-6990)

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金武町フットボールセンター

金武町フットボールセンターは平成28年2月に完成。JFA(日本サッカー協会)公認の人工芝のピッチと天然芝のピッチをそれぞれ一面ずつ備えています。夜間照明はもちろん、医務室や会議室を備えたクラブハウスも完備。プロチームのキャンプやオリンピックチームの合宿にも使用できる本格的な施設です。駐車場も天然芝グラウンドに79台、人工芝グラウンドに64台と広々。

住所
沖縄県国頭郡金武町字金武10988-1
TEL
金武町体育施設(098-968-5855)

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KIN サンライズビーチ海浜公園

KINサンライズビーチ海浜公園は、県内最大級の全長800メートルもあるロングビーチです。公園内には管理棟、トイレ・シャワー棟、ピロティー棟、東屋が整備されています。海水浴やマリンレジャーはもちろん、バーベキューも楽しむことができ、メニューも充実しています。

住所
沖縄県国頭郡金武町金武10819番地4
TEL
KINサンライズビーチ海浜公園(098-968ー3373)

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一般社団法人金武町観光協会 事務局長 喜久山哲郎さん 

2022年9月にオープンしたKIN サンライズビーチ海浜公園は私たちが指定管理者として運営しています。800メートルのロングビーチは、沖縄県内最大級のスケールで、グループやご家族でお越しいただきのびのびと楽しんでいただけると思います。また、会社の研修旅行など、この広さを利用していろいろな活用もできると思いますので是非、ご相談ください。
■問い合わせ先:一般社団法人金武町観光協会(098-989-5674)

一般社団法人金武町観光協会 事務局長 喜久山哲郎さん 

新開地(アメリカ文化の影響を色濃く受けた町並み)

かつて基地の門前町として栄た街並みは絶好のフォトロケーションとして雑誌や映像などでよく使われています。ぶらぶらしながら、映画のセットのような街並みで非日常の風景を捉えてみてください。

沖縄のソウルフード「タコライス」を発祥の地として沖縄県内外から沢山の方が訪れます。晴れた日には新開地エリアの中心にあるアクティブパークでテイクアウトしたタコライスを持って、ピクニック気分で楽しむのもおすすめです。

夜になると街の雰囲気がガラリと変わります。ネオンが輝き、バーやクラブといった店舗に人が吸い込まれていきます。週末は活気づき、特にペイデイ(アメリカ軍人の給料日。毎月1日と15日)は多くの米軍基地関係者で賑わいます。

一般社団法人金武町観光協会 安次富 逸子さん(いっちゃん)

金武町の新開地エリアは、大人の修学旅行で是非訪れていただきたい場所です。グループで写真を撮り合い、お腹がすいたらアクティブパークでタコライスを食べて・・・楽しいですよ。そして夜の新開地はガラッと雰囲気が変わります。どのお店に行こうか迷う時はガイド付きナイトツアーもありますので金武町観光協会までご連絡ください。
■問い合わせ先:一般社団法人金武町観光協会(098-989-5674)

一般社団法人金武町観光協会 安次富 逸子さん(いっちゃん)

大人の修学旅行学びスポット③ 金武町の豊かな自然の中で行う体験

ネイチャーみらい館の「ユウヒロ」コンビ

大人の修学旅行学びポイント最後は、金武町の豊かな自然の中で行う体験です。
金武町は沖縄本島のほぼ中央に位置し、北西には恩納岳連山、南東は太平洋につながる金武湾に面した自然豊かなところです。
ネイチャーみらい館のある場所周辺には、美しい田園風景が広がり、田芋をはじめ稲作など、古くから水の豊かな土地として知られており、億首川流域には亜熱帯特有のマングローブが群生し野鳥観察や自然体験学習のスポットとして注目されています。
ネイチャーみらい館には、地域独自の自然、文化、歴史などを生かした様々な体験メニューがありますので、大人の修学旅行として是非ご利用いただきたいです。

ネイチャーみらい館の「ユウヒロ」コンビ

マングローブカヌー体験

沖縄・金武町の億首川でマングローブ林をカヌーで軽やかに!別名:“海の森”と呼ばれる自然のマングローブを目の前で見ることができます!また、マングローブ林で休憩する様々な鳥たちとも会えます。

郷土料理体験(田芋パイ、タコライス)

金武町の特産品を使った「田芋(ターム)パイ」や金武町が発祥の地「タコライス」を作ります。完成品はみんなで試食します。

紅型体験&琉球衣装着付け体験

鮮やかな色合いの中にしっとりとした落ち着きを持つ現代沖縄の紅型染め体験ができます。染めた作品は持ち帰り、約一週間後にご自身で仕上げていただきます。
琉球衣装着付け体験は琉球舞踊の先生に直接着付けしていただきます。

早朝バードウォッチング

金武町は沖縄県のほぼ中央部の東海岸沿いに広がる町で、豊かな湧水や河川水を利用した水田や田芋畑などが多く、億首川沿いには汽水域が見られ、メヒルギやオヒルギなどのマングローブ植物がまとまって生えている場所もあります。こうした環境には数多くの生き物がすみ、特に野鳥の宝庫な地域となっています。早起きして活動し始めたそれらの野鳥を観察します。

のどかな田園風景を眺めながらのサイクリング

本格的なマウンテンバイクからママチャリタイプ、お子様用の自転車まで各種、各サイズ準備されているので、グループやご家族で金武町ののどかな田園風景をサイクリングで楽しむことができます。

イベント情報(昨年実績)

ネイチャーみらい館では、ご家族やグループで楽しめるイベントを毎年企画しています。今年も開催予定です。是非、イベント日程に合わせて金武町にお越しください。詳しくはネイチャーみらい館ホームページをご確認下さい。

ネイチャみらい館フォトギャラリー

| model course |紹介スポットも回れる、とっておきの旅プラン

【金武町】歴史・基地・自然を学ぶ 大人の修学旅行

グループやご家族、企業の研修にピッタリ!懐かしい修学旅行のノリで金武町を巡る2泊3日の旅!

金武町の魅力は、緑豊かな山々のふもとに広がる自然。またアメリカ文化の影響を色濃く受けた町並みもあります。そして明治から大正時代の金武村は、沖縄の移民の父と呼ばれる當山久三に代表されるように、海外移民の先駆けをなした地域でもありました。このように見どころの多い金武町を、グループやご家族で修学旅行のように学びながら巡る2泊3日の旅です。

詳しくはこちら

| comment |一般社団法人金武町観光協会からのメッセージ

一般社団法人金武町観光協会

効率的に様々な学びができます!

金武町は、沖縄本島のほぼ中央部東海岸に位置し、太平洋に繋がる金武湾に面した風光明媚なところです。また、歴史・文化・特産品など観光コンテンツも豊富で、それらが基地以外の狭いエリアに集中しているので、効率的に様々な学びができます。そんな金武町は大人の修学旅行にピッタリな場所です。是非金武町にお越しください!

公式ホームページ

| 編集後記 |おきなわ物語編集部

今回の記事制作は、金武町にある自然体験学習施設ネイチャーみらい館で実施されたモニターツアーへの参加がきっかけになりました。そのモニターツアーで、ネイチャーみらい館は多くの修学旅行生の受け入れ実績があり、多くの子供たちの学びの場になっていることを知り、これを多くの観光客の方々にも体験してもらいたいと思い、タイトルを「大人の修学旅行」にして記事の制作を始めました。大人の修学旅行風にネイチャーみらい館を出て、街に出てみると、金武町の歴史や風土、文化に加え、基地の街の新しい姿なども学ぶことができ、充実した取材になりました。そんな学びの多い金武町で、学生のころを思い出しながら、ワイワイガヤガヤ大人の修学旅行を楽しんでいただきたいと思います。