首里城正殿復興の今 VOL1(2025年10月)
- 掲載日:
- 2025.10.01
首里城公園では現在、2026年秋の正殿完成に向け、着々と工事が進められています。「見せる復興」をテーマにする令和の復元工事では、これまで復元作業の様子を間近で見学できたり、工事作業の詳しい内容が紹介されたパネルが展示されていたりと、見どころがたくさん!
2025年6月、正殿復元工事を守ってきた素屋根の一般公開が終了。「見せる復興」は次のステージへ。本記事では、首里城が再びよみがえるまでの道のりを、最新の状況とともにご紹介します。
INDEX
首里城正殿復興の「今」~完成前の今がおもしろい!~
首里城正殿の復元工事は2026年秋の完成を目指し、内部塗装や廊下、防火設備の整備が進行中。2025年7月から素屋根撤去を開始し、10月末には約6年ぶりに正殿が姿を現す予定です。有料区域内の「首里城復興展示室」や「世誇殿」では、写真・映像・展示物で復元の歩みをご紹介しています。
「見せる復興」では、城づくりを支える職人の技や、長年にわたる研究の成果をもとに、平成期と令和期の復元の違いを学ぶことができます。首里城の復興は再建のみならず、「見る」「知る」体験を通じて探求できる特別な場として、いまの姿を公開しています。
正殿が完成する前のいまだからこそご覧いただける、首里城復興の歩みがあります。ぜひ首里城公園で、その「今」をご体感ください。
2025年7月25日、後之御庭(くしぬうなー)に阿吽(あうん)一対の鬼瓦を設置。正殿屋根の4体と同時に制作されたものです。
正殿屋根の鬼瓦を間近で見られるのも、“見せる復興”ならではの魅力。人気のフォトスポットとしても賑わっています。
首里城正殿の屋根には、正面と背面に阿吽一対ずつ、計4体の鬼瓦を配置。復興基金を活用し、鎌倉古写真を基に平成の復元より一回り大きく造られました。
2025年7月29日 いよいよ素屋根解体作業が始まりました。10月末には約6年ぶりに正殿が全容を現す予定です。
2025年8月29日 仮囲いに実物大の獅子が出現!
首里城を火災などの禍から守護する役割の獅子、迫力あります!横幅約1.5m・高さ約0.9m
2025年9月19日 正殿を囲っている素屋根の壁が一部分取り外され北側の外観がほぼ見ることができる状態になりました。
学びの場 ― 首里城復興をもっと知る
復興展示室
有料区域内の復興展示室では、正殿復元工事の解説パネルや装飾品の試作品を展示し、令和の首里城正殿復元の詳細をわかりやすく紹介しています。また、大龍柱や向拝柱(こうはいばしら)、そして令和の首里城に復刻された天然顔料「弁柄」の漆についても解説しています。
正殿の象徴ともいえる唐破風(からはふ)をはじめとした豊かな装飾は、琉球王国時代の高度な技術と卓越した美意識の結晶を感じさせます。
二階御差床(うさすか)に設置される、高欄と一体になった阿吽一対の龍柱『御差床龍柱』の試作品
首里城御材木オキナワウラジロガシ 玉座上の「小屋丸太梁」には、長さ6.4m・重さ1.3〜1.7tのオキナワウラジロガシ2本を使用しています。
世誇殿(よほこりでん)
世誇殿では、正殿装飾品の試作展示物をご覧いただけます。試作品は、本体の復元前に制作された貴重な物、見ごたえのある展示物が並びます。
タッチパネルを利用した首里城解説員による解説は、首里城の歩みや令和の復元で甦る正殿の解説などを行っています。
龍頭棟飾(りゅうとうむなかざり) 正殿の正面・大棟の両端に横たわる巨大な龍の棟飾 この石膏原型を基に造形を確認しながら製作がすすめられています。(展示物は大棟・唐破風1/5石膏模型)
首里城復興を見に行こう!
首里城正殿は2026年秋の完成に向けて復興が着実に進んでいます。本記事では、その最新の状況に加え、復興現場を学べる施設をご紹介しました。首里城は、再び雄大な姿を取り戻すだけでなく、未来へ受け継がれる新しい歴史を刻み続けています。完成までの道のりは今しか体感できない貴重な時間。訪れるたびに変化する首里城をぜひ現地でご覧ください。「おきなわ物語」ではその歩みを、完成の日まで定期的にお届けしてまいります。
一緒に読みたい記事
秋の沖縄を彩る一大イベント「首里城復興祭」開催!
秋の沖縄を彩る一大イベント「首里城復興祭」が、2025年11月1日(土)から3日(月・祝)まで首里城公園や那覇市・国際通りで開催されます。国王と王妃が登場する華やかな「琉球王朝絵巻行列」(11/2)や、伝統の「古式行列(琉球王朝祭り首里)」(11/3)など、歴史と文化が息づくプログラムが盛りだくさん。琉球王国の華麗な世界観を体感できる絶好の機会です。
ぜひ、秋の旅の思い出に足を運んでみませんか。
観光のプロに聞いた!~首里城周辺のディープな首里さんぽ~
第一弾「沖縄観光のプロに聞いた!大自然やんばるの魅力!」、第二弾「沖縄そばジョーグー(愛好家)に聞いた!~私のそば~」に続き、70周年記念企画の第3弾として、「首里城周辺」にスポットライトを当て、首里を愛するOCVB職員へのインタビューしています。
















