沖縄エイサーとは?2025年旧盆・歴史・イベントガイド

掲載日:
2025.08.27

沖縄のお盆は旧暦で行われ、旧暦の7月13日~15日にあたります。そのため、毎年日程が少しずつ変わるのが特徴です。
2025年の沖縄のお盆は、9月4日(木)~9月6日(土)。

その最終日に踊られる「エイサー」は、先祖をあの世に送り出す大切な踊りで、その歴史は古く、地域で受け継がれてきた伝統芸能です。

三線の音色や歌、太鼓のリズムに合わせて踊られる迫力のある「エイサー」は、大きなお祭りが行われるほど地元でも人気が高く、県民はもちろん、観光客をも魅了しています。

本記事では、エイサーを楽しめるイベント情報やエイサー・旧暦についてご紹介します!
沖縄の伝統芸能である「エイサー」を知って、沖縄旅行をもっと楽しんでみませんか?

INDEX

旧盆 エイサーとは?

旧盆の最終日(ウークイ)に先祖の霊をあの世に送り出すために踊られる踊りで、県外でいう盆踊りのようなもの。先祖を大切にしている沖縄のとても大切な行事のひとつです。

ご先祖様を送り出すために各地で踊られるエイサーは、各地域で地区(字)ごとの青年会が市町村内や区域内の道路をエイサーをしながら練り歩きます。

これを「道ジュネー」といい、ご先祖様を見送るためだけでなく、各家の無病息災や家内安全、繁盛を祈って踊られます。

もっと詳しく

「沖縄全島エイサーまつり」の様子

「沖縄全島エイサーまつり」は、エイサーのまち沖縄市コザで開催される沖縄最大規模のエイサー祭り。(※動画は2022年に公開されたものです。)
今年は2025年9月12日(金)~14日(日)の3日間にかけて開催されます!

「沖縄全島エイサー」について詳しく見る

そもそも旧暦って、なに?

旧暦とは、月の満ち欠けで時を刻む太陰暦が基本になっています。
古代では太陰暦をもとに自然の移り変わりを見極め、漁や種まき・収穫のタイミングを図っていたと言われます。しかし太陰暦だけでは四季がずれていってしまうため、約半月ごとの季節の移ろいを表す二十四節気を組み合みこむことで、それを解消しました。これが「太陰太陽暦」いわゆる旧暦です。
この「旧暦」は琉球王朝時代に沖縄へともたらされ、暦に基づくさまざまな祭事・行事が行われるようになりました。本土でも飛鳥時代に伝えられてから明治時代初期まで利用されていました。現代においては、本土ではほとんど旧暦は利用されていません。

沖縄旧盆の豆知識!

旧盆初日の16日は「ウンケー(お迎え)」、17日は「ナカヌヒー(中の日)」、18日は「ウークイ(お送り)」と呼ばれています。
なかでも、ウンケーとウークイはとても大事な日です。

ウンケーの日には、仏壇の掃除や果物などをお供えし、夜にはウンケージューシー(炊き込みご飯)をお供えして先祖をお迎えします。
ウークイの日には、三枚肉や厚揚げ豆腐、天ぷら、かまぼこなどが入った重箱をお供えし、「ウチカビ」というあの世のお金を燃やして家族や親戚でご先祖様をお見送りします。

※各家庭や地域によって異なります。

エイサーの演者と役割

もともとは、太鼓を使わずに手踊りの踊り手のみで構成されていたエイサー。近年は、手踊り以外の演者も色々と増えてにぎやかになりました。現在の主流となっているのはパーランクーと呼ばれる太鼓を叩く「太鼓エイサー」、ほかに手踊のみのエイサーなど、地域ごとに特色があります。ここでは、エイサーの隊列を構成する演者とその役割を紹介します。

旗頭(はたがしら)

高さが3~4mもある団体名が書かれた大きな旗を持ち、団体の先頭に立って舞い踊る。持っているだけでも重く大変だが、曲のリズムにあわせて上下させる。

京太郎(ちょんだらー)

白塗りの化粧や踊りで観客を楽しませ、演舞の進行や踊り手の鼓舞、隊列の調整など、場を盛り上げる重要な役割を担っている。
エイサーを熟知した年長者やリーダーが担うことが多いが、場を盛り上げるため子供のちょんだらーが登場する団体もある。

女手踊り(いなぐもーい)

太鼓を持たない女性の手踊りで、絣(かすり)のひざ下丈の着物にたすき掛けをし、足元は島ぞうりが定番のスタイル。手拭いや四つ竹、風車、扇子などを持って踊ったりする。

エイサーで使用される道具・小道具

三線

エイサーなどの沖縄の行事に欠かせない三線は、琉球王国時代の14世紀・15世紀頃に、中国福建から三線の原型である「三弦」が伝わり、長い年月の間に沖縄の風土や音楽に適した形に改良されてきたと考えられている。
日本本土には16世紀半ば頃、琉球から伝えられ、現在の三味線になったと言われている。

大太鼓/締太鼓

戦前までのエイサーは手踊りが主体で、戦後のエイサーコンクール等の影響により『魅せる』要素が加わり、太鼓主体のエイサーに変化する地域が増えて太鼓の数も増加したと言われている。
太鼓の革は丈夫で破れにくい牛皮が使用されているが、沖縄では豚や山羊、馬の皮なども太鼓の皮として使用されてきた歴史もある。

パーランクー

片面だけに皮がはられた小型の太鼓。
パーランクーを使用したエイサーは沖縄本島中部のうるま市勝連地域で盛んに行われており、小型で軽いことから子供エイサーなどでも多く使用されている。

エイサーのことをもっと詳しく知りたい!

「エイサーのまち」沖縄市では、エイサーへの理解を深めるため、『エイサー検定』 を実施しています。 3~1級まであり、かんたんな問題から、マニアックな知識まで、 問題数も豊富! 無料で何度でも受験できるのでぜひ挑戦して下さい!
 

県内各地で開催される「エイサーイベント」

こちらでは、今年開催される人気エイサーイベントをご紹介(※開催日順に表示)。エイサーをより身近で楽しんでみてはいかがでしょうか?
(※天候や主催側の都合により、掲載されているイベントが中止や延期となる場合があります。お出かけ前に、各イベントの公式サイトや詳細ページで最新情報をご確認ください。また、最新の天気予報もご確認の上、安全を最優先に行動いただきますようお願いいたします。)

第29回 高志保大通りエイサー天国

地域がひとつになる、夏の熱狂エイサーイベント!読谷村の夏の風物詩「高志保大通りエイサー天国」が今年で第29回を迎えます。地域の熱気と伝統文化があふれる一日限りの祭典として、高志保大通りが躍動の舞台に変わります。読谷の誇り・エイサーの鼓動と魂が響き渡るこの日、観る人も踊る人も一体となって、沖縄の夏を体感しましょう。

第29回 高志保大通りエイサー天国

開催日時
2025年8月31日(日)
開催場所
高志保大通り
住所
沖縄県中頭郡読谷村高志保

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第70回 沖縄全島エイサーまつり

今では沖縄の夏の風物詩としても知られている、沖縄県内最大のエイサーまつり。沖縄全島から選び抜かれた青年会やエイサー保存会、創作エイサー、子どもエイサーなど様々なエイサーが披露されます。会場内には唄三線や太鼓などが鳴り響き、本場のエイサーを思う存分堪能できます。

第70回 沖縄全島エイサーまつり

開催日時
2025年9月12日(金)〜2025年9月14日(日)
開催場所
コザ運動公園陸上競技場・胡屋十字路周辺
住所
沖縄県沖縄市諸見里2丁目1−1

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映画を見てエイサーをもっと好きになる!

沖縄のエイサーをもっと好きになる映画をご紹介!映画を通してよりエイサーの魅力に触れてみてはいかがでしょうか?

【エイサーどんどん】本編日本語字幕入り

沖縄全島エイサーまつり65周年を記念して製作された特別動画「エイサーどんどん」。沖縄全島エイサーまつりへの出演を目指す青年会がエイサーを通して成長する姿や、ある家族の成長を描いたヒューマンドラマ。エイサーの歴史や魅力を知ることのできる素敵な作品となっています。

詳細はこちら

エイサーを体感・体験できる施設!

エイサーに興味がわいたら、まずは気軽に体験してみよう!県内にある代表的な鑑賞&体験できる施設をご紹介します。
もっと身近に、もっと楽しく沖縄独自の美しい「芸」と「技」にふれてください。

エイサー会館

エイサーで使われる道具の展示や音楽の紹介のほか、エイサーの演舞映像を見たり、エイサーの音楽に合わせて太鼓を叩いたり踊ったりできる体験コーナーもあります。

住所
沖縄市上地1丁目1番1号 コザ・ミュージックタウン内
TEL
098-989-5066

琉球村

琉球王国時代の生活模様を再現し、現代に伝えるテーマパークです。琉球の文化や芸能、自然をまるごと体感できます。無料ゾーンもあり、雨の日でも楽しめます。

住所
国頭郡恩納村字山田1130
TEL
098-965-1234

おきなわワールド

沖縄の歴史・文化・自然をまるごと体感!

住所
南城市 玉城前川1336
TEL
098-949-7421

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体験王国 むら咲むら

華やかな琉球王朝時代の街並を1万5,000坪の敷地に再現

住所
中頭郡読谷村 高志保1020-1
TEL
098-958-1111