連載・沖縄こころの旅|MIRAIアニメプロジェクト
- 掲載日:
- 2026.07.20
沖縄の旅を彩るのは、美しい海や豊かな自然、そして心温まる人との出会いです。
当連載「沖縄こころの旅」では、観光の舞台を支える“人”にスポットを当て、その想いや仕事、沖縄への愛を紹介します。
観光地や飲食店、体験サービスの裏側には、訪れる人を迎える多くの人の物語があります。
人を通して出会う沖縄の魅力を、少しだけ深く旅してみませんか。
INDEX
MIRAIアニメプロジェクトとは
今回ご紹介するのは、「MIRAIアニメプロジェクト」。
MIRAIアニメプロジェクトは、プロのアニメクリエイターとともに、本格的なアニメ制作を体験できる参加型プログラムです。参加者はキャラクターや物語を考え、絵や声で作品づくりに挑戦。完成したアニメには、沖縄の歴史や文化、地域に伝わる昔話などが題材として取り入れられることも多く、楽しみながら地域の魅力にふれることができます。創造力を育むだけでなく、沖縄の文化や物語を次世代へつなぐ、新しい学びの場として注目を集めています。
講師はレジェンドアニメ監督・しらとたけし さん
MIRAIアニメプロジェクトを牽引するのは、数々のアニメ作品の制作に携わってきたアニメ監督・しらとたけし さんです。長年培ってきた技術や経験を次世代へ伝えたいという思いから、全国各地で子どもたちにアニメ制作の楽しさを届けています。沖縄では、地域の歴史や文化、昔話を題材にした作品づくりにも力を入れ、一人ひとりの自由な発想を大切にしながら、創造する喜びや表現する楽しさを育んでいます。
描いた絵が本当に動く!ワークショップの流れ
「自分で描いたキャラクターが、本当に動いた!」──そんな感動を味わえるのが、MIRAIアニメプロジェクトの魅力です。ワークショップでは、キャラクターやストーリーづくりから作画、色付け、声の収録まで、本格的なアニメ制作の工程を体験。プロのアニメクリエイターのサポートを受けながら、一つの作品を仲間と協力して完成させます。アニメができあがるまでの過程には、ものづくりの楽しさや創造する喜びが詰まっています。
子どもたちの過去の作品
渡嘉敷村オリジナルアニメ「ウシおばぁとクジラ」
渡嘉敷村の昔話「クジラになったウシ」を「ウシおばぁとクジラ」と言うオリジナルアニメに変え、村民とあらすじを決め、キャラクターを作り、動画や背景を描き、曲を制作し、歌を入れ、アフレコを行いました。渡嘉敷島の村民みんなの協力の元、完成した作品で、渡嘉敷島の魅力がたくさん詰まっています。
首里城をテーマにした最新作「サイオン」
首里城をテーマにした最新作「サイオン」は、琉球王国で三司官を務めた蔡温を主人公に、首里城の歴史や魅力を描く短編アニメ。子どもたちが描いたキャラクターをしらと監督がデフォルメし、それをもとに動画や背景の制作を参加者全員で進めるオリジナルアニメです。楽曲制作や子どもたちによる歌・アフレコに加え、絵を描くことが好きなおじぃ・おばぁにも背景の色塗りで参加していただくなど、世代を超えて作品づくりに取り組んでいます。
本作品を通して、復元が進む首里城正殿の完成とともに、沖縄発のオリジナルアニメを全国、そして世界へ発信し、地域の魅力発信や活性化につなげていくことを目指しています。
参加者の声
絵を描くことが大好きで、MIRAIアニメプロジェクトには毎回ワクワクしながら参加しています。とても楽しいので、ぜひみんなにも参加してほしいです!
今回、首里城をテーマにしたアニメ制作にも携わることができ、とてもやりがいを感じています。私は今、主人公とその家族が登場するシーンを担当しています。9月の公開に向けて、この夏はワークショップもたくさん開催されるので、完成を目指して頑張ります!
大嶺 秀日(おおみね ひではる)さん/小学5年生
学校でMIRAIアニメプロジェクトのチラシが配られ、妖怪図鑑が紹介されていたのを見て興味を持ちました。もともと妖怪が好きなので、「参加してみたい!」と思ったのがきっかけです。
今回、首里城をテーマにしたアニメ制作に参加できて、とてもワクワクしています。私は主人公のサイオンを描いていたのですが、「漁師みたいだね」と言われたことがきっかけで、漁師のキャラクターになりました。少し謎めいた雰囲気のあるキャラクターなので、とても気に入っています。(笑)
9月の完成に向けて、これからもいろいろな作業があると思いますが、最後まで楽しみながら頑張りたいです。
松田 威(まつだ たける)さん/小学4年生
私も学校でMIRAIアニメプロジェクトのポスターを見たことがきっかけで、参加するようになりました。
今回、首里城をテーマにしたアニメ制作にも参加していて、現在はサイオンさんのお父さんがお母さんの足首をつかむシーンを担当しています。一つひとつの場面を丁寧に描きながら、完成を楽しみに制作を進めています。
首里城が火災で焼失したときは、沖縄の歴史の一部が失われてしまったように感じ、とても悲しかったです。だからこそ、復元された首里城をたくさんの人に訪れて見てもらいたいです。そして、このアニメをきっかけに、もっと多くの人に沖縄の歴史や文化の魅力を知ってもらえたらうれしいです。
平安山 美尋(へんざん みひろ)さん/小学5年生
しらと監督からのメッセージ
「サイオン」は、琉球王国で三司官を務めた蔡温を主人公に、首里城の歴史や魅力を描く短編アニメです。首里城の歩みや、その価値を改めて見つめ直すきっかけとなる作品にしたいと考えています。
物語では、幼少期の蔡温(童名:かまど)が、友人から厳しい言葉をかけられたことをきっかけに学問に励み、その知識を生かして人々のために尽くしていく姿を描いています。努力することの大切さや、人のために行動することの尊さを、子どもたちにも感じてもらえたらうれしいです。
9月末の完成に向けて、子どもたちも一生懸命制作に取り組んでいます。ぜひ作品の完成を楽しみに、温かく応援していただければ幸いです。
しらとたけし さん(中央)
一緒に読みたい記事
首里城正殿復興の今 VOL3(2026年4月)
首里城公園では現在、2026年11月の正殿完成に向け、着々と工事が進められています。「見せる復興」をテーマにする令和の復元工事では、これまで復元作業の様子を間近で見学できたり、工事作業の詳しい内容が紹介されたパネルが展示されていたりと、見どころがたくさん!
2025年10月、正殿復元工事を守ってきた素屋根が全て撤去。「見せる復興」は次のステージへ。本記事では、首里城が再びよみがえるまでの道のりを、最新の状況とともにご紹介します。
【外部サイト】
この記事いいね!
4人がいいね!



































子どもたちの発想には、毎回驚かされます。大人では思いつかない自由なアイデアや表現が次々と生まれ、その瞬間に立ち会えることが、この活動の一番の魅力です。
沖縄には豊かな自然や歴史、昔話など、物語の種がたくさんあります。地域に根付く文化をアニメという形で表現することで、子どもたちにもふるさとの魅力を再発見してほしいと考えています。
絵の上手・下手は関係ありません。大切なのは、自分の思いやアイデアを自由に表現すること。アニメ制作を通して、挑戦する楽しさや仲間と一つの作品をつくり上げる喜びを感じてもらえたらうれしいですね。
しらとたけし さん