【3月5日はサンゴの日】沖縄のサンゴについてご紹介!
- 掲載日:
- 2026.03.05
サンゴ礁を守るために、私たちができること
「サンゴ」が地球上に出現したのは、人類が誕生した約250万年前よりはるか昔、約4億年前。
美しい沖縄の海の中には、生物たちが長い年月をかけてつくり上げてきたサンゴが形成するサンゴ礁が広がり、島々を守ってくれています。
今回は、3月5日の「サンゴの日」にちなんで、世界一種類が豊富な沖縄のサンゴについての基本的なことや、マリンレジャーを行うときに気をつけることなどをご紹介。
沖縄の海や地球の自然を守るために、何ができるのか、この機会に一緒に考えてみませんか?
サンゴ礁に迫る危機
地球温暖化などの気候変動によって、海洋熱波と呼ばれる異常な高水温が発生する頻度が高まっています。沖縄地方では、夏季に台風接近がほとんど見られずに海水温30℃以上が長期間続くと、広い範囲でサンゴの白化現象が発生します。サンゴは、白化しても水温が下がれば回復することもありますが、水温が高いままだとやがて死んでしまいます。
1998年、2016年・2017年、2024年には、沖縄県の広い範囲に及ぶ白化現象が発生しました。なかでも八重山地方では近年、白化現象が頻発化しており、2016年・2017年、2022年、2024年と、発生間隔が短くなっています。
サンゴ礁は、このように気候変動の影響が大きい生態系と言えます。そのほか、サンゴを食べるオニヒトデは、大量発生するとサンゴに大きな被害を及ぼしますが、排水に含まれる栄養塩(窒素やリン)が過剰に海に流れ込むと、その大量発生の頻度が高まる可能性があります。
気候変動や陸からの栄養塩など人為的な影響によって、サンゴ礁への危機がさらに高まっています。
マリンレジャーや観光がサンゴ礁生態系へ及ぼす影響
観光客が急増している東南アジアの人気リゾート地では、ビーチの過剰利用や、観光客のマナー違反によるゴミ投棄などによる環境への影響が深刻な問題となっています。利用客が集中する人気のダイビングスポットなどでは、人がサンゴを壊してしまうケースも報告されています。
コロナ禍後に入域観光客数が回復した沖縄でも、マリンレジャーにおけるオーバーツーリズムや不適切な利用によって、サンゴやサンゴ礁にすむ生き物たちへの影響が懸念されています。
<影響の具体例>
影響1. 浅場にいるサンゴを足で踏んだり、フィンや手でサンゴを壊してしまう。
影響2. ダイビング船のアンカーリング(いかり)でサンゴを壊してしまう。
影響3. 海岸や船上でゴミを捨てる。※特にプラスチックはマイクロプラスチック問題に繋がる
貴重な観光資源であるサンゴ礁を守るため、マリンレジャーショップや行政機関などの関係者が連携し、利用客による影響を減らす取り組みを進める必要があります。サンゴ礁を楽しむ私たち一人ひとりも、サンゴや生物への影響を知り、意識や行動を見直すことが大切です。
マリンレジャーをするときに気を付けること、できること
影響1 (サンゴを踏む、フィンや手でサンゴを破壊) への対応策
・サンゴがたくさんいる浅場を歩かない。
・サンゴをフィンで蹴らないように、ダイビングガイドの説明をよく聞いて実践する。※ガイドはお客さんへ丁寧に説明し、自身も知識向上とスキルアップに務める
影響2 (アンカーリングによるサンゴの破壊) への対応策
・ダイビングショップ等は海底に設置された係留ブイを使って船を係留する。
※係留ブイは漁協等の地元関係者と調整されたもの
・サンゴを壊さないように海底をよく確認してアンカーリングする。
・利用客は、上記に取り組むダイビングショップを選ぶ。
影響3 (海岸や船上でのゴミ投棄) への対応策
・陸上、海岸問わず、ゴミを捨てない。
・海岸や海中清掃をしているダイビングショップなどに協力する(環境保全のための協力金への寄付など)。
・ビーチクリーン(海岸清掃)に参加する。
最初の一歩として、サンゴを保全していくために何が必要か? どんな活動がされているか?を知るところからはじめましょう。 沖縄県では、サンゴ礁に配慮したマリンレジャーを進めるための取り組みを行っています。
持続可能なマリンレジャーのための事例集について (沖縄県環境部自然保護課 発行)
マリンレジャー事業者や一般の利用客向けに、サンゴ礁保全のための普及啓発ツールを新たに作成しました。マリンレジャーによるサンゴ礁への影響の解説のほか、マリンレジャー事業者等によるサンゴ礁保全の取り組み事例をとりまとめたものです。
マリンレジャー事業者団体が取り組むサンゴ礁保全活動の紹介
係留ブイ、海岸ゴミ清掃といったサンゴ礁生態系への影響を減らす取り組みや、サンゴ礁の健康状態を見守る観察(サンゴ礁モニタリング)を行っている事例を紹介します。
ケーススタディ1) 係留ブイの設置と運用
ダイビング船がサンゴの生息する岩礁にアンカーリングする際、やみくもに「いかり」を投げ込むとサンゴを壊す恐れがあります。また、特に、船の利用が集中する人気ポイントでは、サンゴ破壊のリスクが高まります。
アンカーリングによるサンゴへの影響を減らすために最も有効な方法は、海底の岩などにロープ等で固定された係留ブイを利用することです。ただし、ダイビング船用の係留ブイは、沖縄県内でも設置、運用されている地域とそうでない地域があります。係留ブイがまだ設置されていない地域では、いかりを海底に下ろすときに、サンゴがないことを確認してから岩場に固定するなど、サンゴへの影響を減らす配慮が行われている場合もあります。
ケーススタディ2) 定期的な海岸清掃
海洋ゴミは、海や海岸で捨てられたり、陸のゴミが大雨などにより海へ流れ込んだものであり、風や海流に乗って広い範囲に漂流します。重いものは海底に沈み、軽いものは長期間にわたって海を漂い、一部は海岸へ流れ着きます。とりわけ問題視されているのが、自然界で分解されにくいプラスチックゴミです。さらに、プラスチックが太陽光や波で細かく砕かれたマイクロプラスチックは、海洋生物の体内に入ることで、生態系全体に影響を及ぼす可能性が懸念されています。
市民団体などによるビーチクリーンは近年よく見られますが、ダイビング協会などのマリンレジャー団体も、日々利用しているサンゴ礁への影響を減らすため、海岸や海中でゴミ清掃を定期的に実施しています。自分たちの利用している海を自分たちの手で守り、お客さんと一緒に取り組むこともできる、こうした活動はさらに広がることが期待されます。
本部町ダイビング協会では、自分たちの仕事場である海洋環境を保全するために定期的に海岸清掃を行っています。主な活動場所である崎本部のダイビングポイントは、本部町の玄関口とも言える人気の場所です。駐車場周辺やビーチにはゴミが溜まりやすいので、玄関口を綺麗に保ちたいという思いもあります。 ハイシーズンなどには地域住民を含めて広く参加のお声がけをし、この活動を地域の方々に知ってもらい、応援してもらえるよう努めています。最近はペットボトル等のゴミだけでなく、海岸でBBQをしたと思われるゴミ(使い捨てコンロや、レジャー用品など)を見かけることもあります。それを片付けるのは地域住民です。本部町を訪れる皆さんには、綺麗なサンゴ礁を保つためにも、極力ゴミを出さないこと、ゴミは持ち帰ることも意識しながら、海を楽しんでもらいたいです。
本部町ダイビング協会 会長 鹿島敏雄さん
ケーススタディ3) サンゴ礁モニタリング
サンゴ礁の状態を定期的に観察(モニタリング)しながら、高水温による白化状況や、オニヒトデ等のサンゴを食べる生物が増えていないか見守ることは、サンゴ礁を守るうえで非常に大切です。研究者や専門機関による詳しい調査でなくても、簡易的な方法でサンゴ礁の健康状態やその変化について大まかに把握することができます。
マリンレジャーで毎日利用しているポイントで、定期的にサンゴ礁のモニタリングを行っているマリンレジャー事業者や団体があります。この活動は、サンゴ礁生態系の現状を把握する面でも、科学的なデータを集める面でも大変意義のある取り組みです。研究機関や行政による調査では現場を訪れる回数に限りがありますが、毎日のように海に出て同じポイントを見ているダイビング事業者の方が、状況変化にいち早く気づける可能性があります。
私たちは、「謝名瀬地区保全利用協定」に認定された自主ルールを守り、宜野湾沖の謝名瀬(ジャナビシ)と呼ばれるサンゴ礁を持続的に利用する事業者グループです。保全活動の一環として、サンゴ礁のモニタリングを継続的に行っていますが、2024年に起きたような大規模な白化現象が起こると、サンゴは一気に激減してしまいます。心が折れそうになることもありますが、1998年の大規模白化の後、時間をかけて回復してきたサンゴの姿を、私たちは現場で見てきました。これからも、サンゴを食べる貝類の監視や、サンゴ礁の状態のモニタリングを通して、その回復していく姿を見守り続けたいと思っています。生き生きとしたサンゴを見られることは、実は非常に貴重な体験です。これから訪れる皆さまにも、時間はかかるかもしれませんが、サンゴのたくましい回復力と、美しいサンゴ礁が広がる謝名瀬の海を、私たちと一緒に見守っていただけたらと思います。
謝名瀬地区保全利用協定 締結事業者団体 代表 東恩納 亮さん
サンゴにやさしいエシカルトラベル
エシカルトラベルとは「人や社会・環境などに優しい観光」で、旅する本人だけでなく、受け入れる地域の人々の暮らしや自然環境にとっても心地良い、思いやりをもった旅のことを指しています。ここではサンゴにやさしいエシカルトラベルを紹介します。
サンゴにやさしいダイビング「GreenFins」
恩納村では、サンゴにやさしいダイビング・シュノーケリングの国際ガイドライン「GreenFins(グリーンフィンズ)」の普及が進められています。「ちょっとした意識でこの海は守られる」をコンセプトに、「サンゴの上に立たない」「海洋生物を追いかけない」などすぐに実践できるルールばかりです。サンゴにやさしいダイビングに取り組んでいるダイビングショップの事例を紹介します。
誰でも気軽にビーチクリーンできる「プロジェクトマナティ」
500円からはじめるビーチクリーン『プロジェクトマナティ』は、協力店舗で参加費を支払い、専用ゴミ袋「マナティバッグ」をレンタルするだけで参加できます。拾ったゴミの処分も全て協力店舗が対応してくれるので、思い立ったらすぐにビーチクリーンを楽しめます。綺麗な海で遊んだ後は、海をさらに綺麗にして帰る。自分と海をもっと好きになれる、沖縄の新しいアクティビティをご紹介します。
【関連リンク】
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私たち 宮古島美ら海連絡協議会は、漁業者やマリンレジャー事業者が連携した団体です。サンゴ礁保全や安全対策の徹底などの取り組みを継続的に行いながら、海と共に生きる仕組みづくりに長年、取り組んできました。加盟事業者は、安全基準や環境ルールを守り、海への負荷を抑えた運営を心がけています。また、環境保全活動などを支えるためのご協力として、任意でお預かりしている「美ら海協力金」は、サンゴ礁をアンカーのダメージから防ぐ係留ブイの整備・管理にも活用されています。
宮古島の海を安全に、思いやりをもって楽しむことが、海の生きものやサンゴへの配慮につながり、その美しさを未来へ受け継ぐ力になります。楽しむことが、海を守ることにつながる。そんなマリンレジャーを、ぜひ宮古島で楽しんでください。
(一社)宮古島美ら海連絡協議会 代表理事 冨谷さん