やんばるの森でカカオを栽培
「OKINAWA CACAO」が育む、チョコレートと地域産業
ETHICAL TRAVEL OKINAWA
沖縄県本島北部の大宜味村で、カカオの栽培からチョコレートづくりまで行う「OKINAWA CACAO(オキナワカカオ)」。ここでは、カカオ畑の見学やカカオ豆からチョコレートをつくる体験ができます。原料としてのカカオを知り、地元の素材をふんだんに使用したチョコレートを味わう。新しい沖縄の魅力です。
やんばるの自然とチョコレート工房
世界自然遺産にも登録された「やんばる(山原)」の深い緑に囲まれた「OKINAWA CACAO FACTORY & CAFEは、チョコレート工房にカフェを併設した「OKINAWA CACAO」の活動拠点。代表の川合径(かわい けい)さんに、案内していただきました。
「カカオ豆(BEAN)から板チョコレート(BAR)までを自社工房で一貫して行う、BEAN to BARというスタイルで製造・販売しています。さらに、自社農場ではカカオ栽培も手掛け、原料の生産から商品の製造まで、純沖縄産のチョコレートづくりを目指しています」
沖縄をカカオの産地へ
提供 OKINAWA CACAO
川合さんが沖縄でカカオ栽培を始めた背景には、「地方創生」に携わりたいという強い想いがあります。都市に人口が流れる中、地域に魅力的な仕事があれば、地元の人が戻ってきたり、移住者が来たりと、住む人が増えます。また、魅力的な商品やサービスがあれば、多くの人が訪れます。
そんな地域づくりがしたくて、「どの地域にどんな産業があれば、魅力的だろうか」と考えたとき、「沖縄でカカオを栽培して、地元素材を使用したチョコレートを作る」という構想は、すごく可能性があって面白いのではないかと考え、「OKINAWA CACAO」を立ち上げました。
2016年にスタートした自社農場でのカカオ栽培は、試行錯誤の連続。それでも2021年には待望の初収穫を迎え、2025年には「沖縄産カカオ豆」を使用したチョコレートの商品化に成功しました。
カカオの収穫が安定するまでは、さまざまな産地から厳選したカカオ豆を使用し、それ以外の素材、砂糖やフルーツは沖縄県産にこだわり、沖縄らしさをチョコレートで表現しています。
驚きがいっぱいの、カカオ畑見学
「OKINAWA CACAO」では、普段目にすることのないカカオの成長を間近で見られる「カカオ畑見学」を開催しています。2016年にベトナムから種を入手して始まったこの農園では、たくさんの品種系統のカカオの木たちが力強く育っています。
ビニールハウスの中では、幹に直接咲く可憐な花や、色とりどりのカカオの実(カカオポッド)に驚かされます。川合さんは、より沖縄の環境に適応させるため、接ぎ木で個性を掛け合わせるなど、収穫量と品質を安定させるための工夫を日々凝らしています。
台風から木を守るための防風林や、日除けの役割を果たすバナナとの混植など、沖縄ならではの「アグロフォレストリー(森林農法)」も見学でき、カカオだけでなく周辺環境も含めた自然の営みも実感することができます。
カカオ豆から作る「チョコレート作りワークショップ」
畑の次は、チョコレート作り体験!ここでは、カカオ豆から一枚の板チョコになるまでのプロセスを自分の手で進めていきます。チョコレートには、沖縄産のフルーツもたっぷりトッピングできます。
ローストした豆の薄皮を剥く作業も体験。丁寧に皮を剥くと、中から「カカオニブ」が現れるので、ちょこっとお味見。作業の途中で豆からチョコレートになる段階を味見できるのも、体験ならではの楽しみです。
カカオバターを加え、粉ひき機ですり潰していくうちに、熱と摩擦でとろりとしたペースト状になります。そこに砂糖を投入。砂糖を何%入れるかは、好みで決められるので、好きな甘さに仕上げてくださいね。
さらに、温度計を使って正確に温度を調整する「テンパリング」を行い、型に流し込みます。
トッピングには、実際の商品にも使われている県産シークヮーサーピール、スイカやパイナップルのドライフルーツを贅沢に使用できます。
板チョコが冷えて完成するまでの間、残ったチョコレートにミルクを混ぜてドリンクにして、ホッと一息。余った素材をつまみながら、のんびり過ごせます。
昔ながらの集落にあるショコラトリー
どこか懐かしい雰囲気のある集落の中に佇む「OKINAWA CACAO FACTORY & CAFE」。カフェでは、チョコレートややんばるのフルーツを使用したドリンク、季節のスイーツを味わうこともできます。
販売スペースには、たくさんの種類の商品が並んでいます。板チョコは、カラキ(やんばるに自生するシナモンの一種)、泡盛、シークヮーサー、月桃。フルーツチョコレートは、パイナップル、スイカ、青マンゴーなど。どれも、大宜味村や周辺エリアの素材を使用しているやんばるの味。
今までにない個性的な沖縄土産として、喜ばれそうですね。
カカオを育て、未来を耕す
川合さんが描くのは、沖縄が世界に認められる「カカオの産地」になるという長期的なビジョン。そして、沖縄のチョコレートが世界中に通用するブランドづくりを目指しています。「オンライン販売だけでなく、この場所から魅力を発信し、多くの人が訪れる場所にしたい」と、地域づくりも重視しています。
「カカオの産地」と「チョコレートブランド」を確立させ、地域を活性化させる。カカオが結ぶ、沖縄の未来が楽しみです。
- 住所:沖縄県国頭郡大宜味村田嘉里555
- 営業時間:9:00〜18:00
- 定休日:火・水
- https://okinawacacao.com/
- 詳細を見る
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