久米島が誇る
“深海の恵み”を体感できるカフェ
ETHICAL TRAVEL OKINAWA
沖縄本島から西へ約100kmに位置する久米島は、古くから「球美(くみ)の島」と呼ばれ、琉球の島々の中でもひときわ美しい島として讃えられてきました。
島を囲むサンゴ礁のすぐ先で海底が断崖のように深く落ち込む、全国的にも珍しいダイナミックな地形を持つ久米島。太陽の光が届かない深海では、ミネラルが豊富で清らかな海洋深層水が育まれ、水深612mの海底パイプから安定的に汲み上げられています。その水は、特産品である車海老の養殖をはじめ、農業から化粧品製造など島の産業を支えています。
海沿いのカフェで島の食材を堪能
そんな久米島の海洋深層水の恵みを体感できるのが、青い屋根が印象的な「くめじまーるカフェ」。島の東部、海岸線沿いに建つカフェには潮風が心地よく吹き抜け、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
ここでは、海洋深層水を取り入れたこだわりのフードやドリンクが楽しめます。なかでも人気なのが、久米島の絶景「ハテの浜」をイメージした青い「HATENO BLUEソフトクリーム」。隣接する藻類農園「FARMO」で育てられた**スピルリナ**(後述)由来の天然色素を使い、見た目は印象的ながら、甘さ控えめのさっぱりとした味わい。
島の素材を使ったフードメニューも好評。久米島で養殖される車海老のカレーは、濃厚なビスクを使った深みのある味わい。ピザには、スピルリナで青く色付けたしらすや島で養殖された海ぶどうがトッピングされています。アーサ(アオサ)ソースを重ね、4種のチーズが風味のアクセントに。海の香りと旨みが一体となった、ここでしか味わえない一枚です。
店内では、久米島海洋深層水で仕込んだクラフトビール「KUMEJIMA 612」も味わえます。スピルリナ由来の青色が美しい「RED & BLUE」は、久米島の海を思わせる爽やかな一杯。超硬水を使った「THE BOTTOM」は、香りとほどよい苦味が際立ち、後味がすっきりとしています。
また、カフェの外には、蛇口をひねると海洋深層水が流れ出るちょっとした体験コーナーがあります。手に受けるとひんやりと冷たく、口に含むとほのかな塩味が。海底612mから組み上げられた海水に触れられる機会は滅多にないのでぜひお試しを。
“海の恵み”を知る、藻類農園FARMOを見学
カフェに隣接する藻類農園「FARMO」は、誰でも気軽に見学することができます。
ガラスチューブの中を流れるのは、藻類の一種・スピルリナ。タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維など50種以上の栄養素を含み、「スーパーフードの王様」とも呼ばれています。深い青色の天然色素を持ち、光や温度を丁寧に管理しながら育てられています。
「海洋深層水は雑菌が少なく、藻類を育てる環境としてとても適しているんですよ」と教えてくれたのは、施設を管理する束村さん。
ここで育った藻類は、カフェのスイーツやビールの色素として使われるほか、食品やコスメ、サプリなどに使われています。
「私たちが運営するカフェと農園は、海洋深層水を使って一次産業をつくり、研究して、加工して、最後は料理やスイーツ、ドリンクとして提供するサービスまでつないでいく“循環型の施設”なんです。藻類はこれから市場がさらに伸びる素材だと思います。藻類を久米島の産業として育てていくのが目標です」と意気込む束村さん。
海の恵みを、島の未来へつなぐ取り組み
久米島では、海洋深層水を車海老や海ぶどうの養殖、農業などに活かす取り組みが進められています。その一環として、海洋深層水を使った発電の実証にも挑戦しており、発電に使用したあとの水を畑に再利用するなど、限りある資源を無駄なく循環させる工夫が行われています。こうした試みは、将来的に島全体へと広がっていくことも期待されています。
「くめじま―るカフェ」は、そんな島の考え方や営みを旅の途中で感じられる場所。島を訪れた際はぜひ立ち寄って、海とともに歩む久米島の姿に触れてみてください。
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