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豊かな島野菜の薬膳朝食で
朝から元気をいただく
(沖縄第一ホテルの朝食コース)

#南部

■朝から朝食で整う

旅のはじまりの朝に、島野菜豊富な薬膳朝食で元気チャージして1日をスタートさせてみませんか? その品数、なんと50品目。なのに、総カロリー数はわずか585キロカロリー(あんぱん大1個ぶんくらい)という、沖縄名物の朝食コースがあります。それが、沖縄第一ホテルの朝食です。

沖縄第一ホテルは、1955年に創業されたホテルで、当初の朝食はパンと卵とベーコンというアメリカンスタイルな洋食でした。その後、創業者の島袋芳子さんが、海外旅行先でほぼ同じメニューを食したことで「なぜ私は海外に来てまで同じものを食べているのだろう?沖縄に来たらきっと沖縄料理が食べたいのでは?」という大きな気づきになったとのこと。祖母が作ってくれたような島野菜を一品一品出していくと、お客様がそれを喜んでくれたことも原動力となり、さらに徹底して管理栄養士も入れて現在の薬膳朝食メニューをつくってきたという歴史があります。

現在は、島袋さんの次女の渡辺克江さんが二代目女将となり、2012年からは那覇市の安里(あさと)から国際通り近くに移転しました。観光客で賑わう繁華街の国際通りから一銀通りに少し入ったところに、エアーポケットのように落ち着いた佇まいの沖縄第一ホテルがあります。

二代目の渡辺さんは、野菜ソムリエプロで国際中医薬膳師の資格を取得し、琉球料理保存協会の理事も務めています。創業者・島袋さんの料理に、渡辺さんが持っている資格と知識が組み合わさることで、食材ひとつひとつの持っている力と、薬膳の知恵を活かして朝食が作られていることが大切な部分なのだそうです。

■沖縄食材と薬膳料理

まずは、ホテル名物の薬膳朝食につかわれている沖縄の島野菜の特徴について伺ってみました。すると、沖縄の島野菜には、3つの特徴があります。

「ひとつは太陽の紫外線をサンサンと浴びて、抗酸化力があります。沖縄は、他府県に比べると、紫外線が3~4倍ほど強いんですね。そのぶん、沖縄の野菜の持っている力のひとつが抗酸化力で私たちを守ってくれて、栄養価を高めてくれます」とのこと。それは、野菜の色合いも綺麗なことの理由でもあるそうです。「たとえば、ドラゴンフルーツのような赤だったり、緑の鮮やかなお野菜だったり、これも野菜自体が紫外線から守るために色が出てるんです」。

2つめは、土壌です。
沖縄は珊瑚礁が隆起して出来た島ということもあり、ミネラル分が多く含まれているといいます。沖縄の土には、島ならではの特徴があるのです。

そして3つめは、風。
「沖縄は島なので、ずっと潮風が吹いています。ですので、必然的にミネラルが多くなりますね。たとえば、長命草って、海の近くの岩場で荒波を受けて育つんですよ。通常の一般的なお野菜でしたら、塩と太陽の日差しで枯れてしまいますよね。その環境の中でもすくすくと育つ長命草の生命力って凄いですよね」。

その生命力は、私たち人間にとって栄養という恩恵になります。沖縄にはそういう素晴らしいお野菜がいくつもあるので、せっかく沖縄に来たのでしたら、ぜひ島野菜をふんだんに使ったお料理を食べてみてはいかがでしょうか。

さらに、薬膳の知恵を活かしているポイントについても伺ってみました。

「南国沖縄の野菜の料理は、身体を冷やすものが多いんですよ。たとえば、へちまも、ゴーヤーも、野菜パパイヤにしてもそうです。冷やしすぎるのもよくないですし、逆に冬場だからといって温めすぎるのもよくないのです」。例えば、野菜パパイヤには島胡椒を入れて身体を冷やしすぎないようにしたり、冬はお味噌で体をあたためるのですが、冬の中でももっと寒いとショウガを入れたりして、同じ季節でもその日の気温に応じて変えながら、バランスを整えた料理を提供しているのだそうです。

そのような取り組みについて、「ほかの薬膳の先生にも召し上がっていただいたのですが『延年益寿薬膳だね(万人の健康を守ってくれるような朝食ですね)』というご評価もいただきました」とのことです。
季節や気温に合わせた料理で整えていくというのが素晴らしいですね。

50品目の食材集めの苦労や、フードロスへの取り組みについても伺ってみました。

「これだけの種類の食材については、地元の契約農家さんから仕入れています。あと、珍しい食材などは、ファーマーズなどに行かないとなかなか手に入らないので、珍しい野菜が出荷されていないかなとファーマーズにはよく通っています。珍しい野菜とは、例えば、珍しい旬の食材のひとつとしては、これからの季節的には紫人参がもうすぐ出たり。ほかにも、ニンブトゥカー(スベリヒユ)という野菜は、魚に含まれるDHAが摂れたりするという珍しい野菜があるのです」とのこと。

また、珍しい野菜だけでなく、定番の島野菜の島らっきょうにしても、やはり時期とか台風などによっては年に何回か入手できないときもあるとのことで、そういうときには、調理人のお兄様が食材集めに駆け回って代わりのお野菜を見つけて用意しているのだとか。
そのようにして、最低でも50品目を出しているのだそうです。

■地産地消やフードロスへの取り組み

「当ホテルの朝食は予約制なので、人数分しか作りません。また50品目ありますが、一般的な成人女性でも残さずにきれいに食べられる量ですので、食べ残すお客様は有難いことにほとんどいませんね。ちょっと多めに作ったときは、スタッフのまかないになるので、ほぼ残らないです。ほぼフードロスは無いですね」と渡辺さん。

地元食材を地産地消するだけでなく、食材が余分にならないようなフードロスへの取り組みも素晴らしいですね。

また料理の食材だけでなく、器もすべて地元沖縄県産品。陶器は、壺屋焼きや読谷焼きのやちむん。グラス類は、現代の名工がつくった琉球ガラス。漆の器は、琉球漆器。どの器も逸品を揃えています。例えば、上記写真の急須は、大嶺實清(おおみね じっせい)作品(読谷山窯窯元/沖縄県立芸術大学名誉教授・元学長)。カップとソーサーは、人間国宝・金城次郎の長女で陶芸家の宮城須美子(みやぎ すみこ)作品です。ほかにも、壺屋焼きでは、仁王窯(におうがま/壺屋三人男と呼ばれる小橋川永昌の窯元)や、琉球ガラスは、現代の名工として知られる稲嶺盛吉(いなみね せいきち)作品などが、料理と一緒に運ばれてきます。

「大先生の器を快く作って頂き、使用させていただいておりますのは、ホテルを長く続けている歴史の積み重ねのおかげもあるのかと感謝しています。当ホテルの朝食で芸術的な沖縄工芸の器を、お客様にも身近に触れて頂けましたらと思います」。

実際に食事しながら、トップクラスの沖縄工芸の器を使用できる機会は、沖縄第一ホテルで朝食する魅力のひとつとなっています。

■沖縄で唯一無二の朝食の過ごし方

沖縄の島野菜は、はじめて見たり口にしたりする野菜が多いかとは思いますが、身体が喜びそうな野菜ばかりで、また島野菜についての説明をしていただけるのもありがたいです。1日かけても50品目を食べることはできないかもしれないところを、郷土料理のお店でここまでの品目が出るお店は希少です。

さらには、朝食でとなると、唯一無二だと思います。「ベジファースト」という言葉もありますが、朝から野菜たっぷり食べることでお昼くらいまでは血糖値が上がりにくくなるのも、メリットのひとつだそうです。

とても人気のため、とくに土日は混み合いますので、ご予約はどうぞお早めのご連絡をおすすめします。ただし、予約開始日は1ヶ月前からしか受け付けていないそうです。それよりも早く予約を取りたい方は、ホテル宿泊の予約をされる場合には3ヶ月前からの予約開始が可能とのことですよ。

旅先で朝の時間帯といえば、いつもはとても慌ただしかったりするものですが、沖縄で薬膳朝食を食べて一旦身体を整えて、気持ちもリセットしてから行動開始する。そんな旅のはじまりも良さそうです。

INFOMATION
沖縄第一ホテル
  • 住所/〒900-0013沖縄県那覇市牧志1丁目1−12
  • 電話番号/098-867-3116(完全予約制)
  • 薬膳朝食の営業時間/8:00~、9:00~、の2回入れ替え制
  • 休業日/要電話連絡(直接ご確認ください)
  • 駐車場/1~2台
  • 詳細を見る
掲載日:
2023.10.26
更新日:
2023.10.27

※掲載内容は、掲載日もしくは更新日時点での情報です。最新情報は、ご利用前に各施設などにご確認下さい。

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