
Okinawa Cuisine
〜新しい沖縄料理〜
魅力あふれる沖縄食材を使って、
新しい沖縄創作料理が生まれている。
そんな“OKinawa Cuisine”を食べに行きませんか?

よっちゃん亭 とけしひろしさん
自由なスタイルから生まれた
唯一無二のおもてなし料理
レストランに行かずとも、宿泊先の部屋で、沖縄素材をたっぷり使ったコース料理が味わえるのは、なんとも贅沢なもの。よっちゃんの愛称で知られる、とけしひろしさんが出張料理人となってオリジナル料理を提供する、移動型のビストロ「よっちゃん亭」なら、まさにそれが叶う。もともと那覇で7年ほどフレンチのお店を経営していたとけしさん。「お店という形態にとらわれず、新しいことをしたかった」と、今の移動型のスタイルに行き着き、1年半になる。



そんなとけしさんの代名詞ともいえる料理が「野菜のテリーヌ」。できるだけ自身が生まれ育ったやんばる産の野菜を使い、味付けはシンプルに野菜の煮汁と塩、そして県産のきび糖だけ。これほど野菜に旨味があるのかと、口にした途端思わず唸ってしまう。ただこの一皿も固定メニューではなく、お客様の好きなもの、アレルギー、誰と食べるかなど、事前にヒヤリングし、その人に合った唯一無二のメニューを作るのがよっちゃん流。人が喜ぶ料理を想像し、提供する。料理をする上でとても大切なことを、誰よりも体現している料理人のように思う。旅先でいただく食事としてこれほど贅沢なものはないだろう。

店舗名/よっちゃん亭
TEL/090-9486-1716

petite rue 新屋健一さん
沖縄の四季を感じる
本格フレンチ
「地元の方がよく県外のお客様を連れて来てくださるんです」。そう語るのは、フレンチレストラン「petite rue」のオーナー 新屋健一さん。フレンチを通して沖縄食材の魅力を伝えたい。その想いから、扱う食材はすべて県産のものにこだわり、どんな沖縄食材も見事に本格フレンチへと昇華させる実力派シェフだ。那覇の公設市場近くで11年、地元の人に愛されるビストロを営んできた。



しかし2018年10月から場所を開南せせらぎ通りに移し、ビストロから落ち着いたレストランに形態を変えた。これまで定番メニューを通年提供してきたが、新しい店舗は季節で変わるコース料理のみ。「年中暖かい気候の沖縄で、どれだけ料理に季節感を出せるのか追求していきたい」という。10〜11月でも夏のような気候だけれど、やんばる産キノコのテリーヌや、温かみのある島かぼちゃのソースなど、沖縄の小さな秋を感じる新屋シェフの料理。気温が下がる12月以降は、島大根や田芋などの根菜がおいしくなるのでグラタンを作ってみたいと話す。沖縄には四季がないとよく言うけれど、ここには確かに感じる沖縄の春夏秋冬がある。旅をする度に訪れたくなる場所だ。

TRATTORIA Lamp 上江田崇さん
素材の個性を最大限生かした
味わい深いの郷土料理
沖縄の生産者が真心込めて作った食材を、その想いとともに料理という形で、届けてくれる料理人。「TRATTORIA Lamp」の上江田崇シェフも忘れてはならない。彼が作る料理は、イタリアがベースといえど、その枠にはまらない。沖縄食材を最大限生かすのに必要だと思えば、昆布だしや泡盛を使うこともある。だからイタリア料理を想像してお店に入ると、その期待は簡単に裏切られる。



上江田シェフのスペシャリティは、県内の生産者から直接届いた採れたての野菜をじっくり煮込んだスープ。素材そのものに目を向けてほしいから、余計な情報を削ぎ落としたメニューには「島野菜15種 塩とオリーブオイル」とだけ書かれている。そしてシェフは最後の味付けをするように、自らお客様にサーブする。どんな人がどんな想いで育てた素材なのか、それを伝えることで料理の味により深みが出るのを知っているから。生産者はもちろん、その素材を育んだ場所「沖縄」への敬意が感じられる彼の料理は、口へ運ぶごとに、島のエネルギーが身体の中へ浸透していくようだ。地のものを味わうのは旅の醍醐味。ぜひ作り手の想いとともに、この新しい郷土料理を味わってほしい。