体験東村

やんばる自然塾

沖縄固有の自然を楽しむツアーを提供する「やんばる自然塾」。コロナ禍の中で進めてきたのは「観光と環境保護を両立させる」という学び直しだった。

コロナ後の世界につなぐ、この島だけが持つかけがえのない価値

観光と自然のバランスをとって環境を守る

観光と自然のバランスをとって環境を守る

 2021年7月26日、ユネスコ世界自然遺産に登録された沖縄島北部のやんばる地域。国指定天然記念物の慶佐次川マングローブや、ここでしか見ることのできない貴重な動植物が生息している。
 やんばる自然塾では、この豊かな自然をフィールドに、リバーカヤックやトレッキング、シーカヤックなどが体験できる2名~10名の少人数対応のエコツアーおよび、修学旅行などの団体プログラムを提供している。
 そんな自然の中での体験を売りとする同社にも、新型コロナウイルスの影響は否応なく押し寄せた。スタッフの定期的なPCR検査や頻繁な手洗いなど、丁寧な感染対策やガイドツアーの停止などの対策を打ったが、需要はコロナ前の半分以下に。特に修学旅行の予約はほぼ無くなってしまったという。
 だが、同社ではこの危機を、「自分たちの足元を見つめ直すチャンス」として捉えたと代表の島袋裕也さんは話す。
「おかげさまでコロナ前は、たくさんのお客様がいらっしゃっていましたが、私たちの仕事は利益追求だけでは成り立ちません。観光と自然のバランスを取りつつ、環境を守りながら進めていくことが使命です」

自然遺産登録をきっかけに新しいプログラムを企画

自然遺産登録をきっかけに新しいプログラムを企画

 すでに同社ではコロナ後を見据えて、スタッフたちが自主的に新しいプログラムを企画しているという。
「これまでカヤックプログラムがメインだったのですが、昨年の自然遺産登録を期に、希少な動植物が生息している「やんばるの森」に焦点が当たってきていることをふまえてトレッキングを中心としたプログラムを作成中です。どのようにすればこの自然の素晴らしさを伝えることができるか、実際に森の中を歩きながら考えて、またテキストや図鑑など資料を読み込んで新たな知識を吸収しています」

国内のリピーターの応援に応えるために

国内のリピーターの応援に応えるために

 コロナ禍で、これまでにない意外な需要も発生した。
「感染拡大が一度落ち着いた頃ですが、沖縄県内に在住のお客さまが増えたんです。本土へ旅行するリスクを避けて県内旅行にシフトした結果だと思いますが、ツアーに参加された方たちは、自分たちの住む島に根付く自然の豊かさに驚かれていました。足元にある宝を発見する機会を提供することができて嬉しかったですね」
この島のかけがえのない自然の貴重さを一人でも多くの人々に知って欲しいという想いは、会社設立時から今に至るまで、変わらないと語る島袋さん。
「その上で、楽しんでもらうところに力点を置いています。楽しいと興味も出ますし、ひいては自然保護への関心に繋がります。そのきっかけを作るために、案内者たる私たちガイドは日々努力しています」
 なかなか沖縄へ足を運ぶことが難しい昨今だが、やんばる自然塾には、国内のリピーターから応援メッセージが寄せられ、それらが気持ちの支えになっているという。
「他の観光サービスと違ってネイチャーツーリズムはあまり派手さが無いとは思いますが(笑)、この島だけが持つかけがえのない価値を提供してきたと思っています。これまでと変わらない真心を込めたツアーをご案内できるように、準備してお待ちおります」

有限会社やんばる自然塾<br>代表取締役社長:島袋 裕也さん
お話を聞いた人
有限会社やんばる自然塾
代表取締役社長:島袋 裕也さん
店舗HP
https://gesashi.com

2022年 2月時点

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