沖縄でしたい10の食体験

笑顔の男女

鍾乳洞で熟成させる
豆腐よう作り

笑う二人の男性

縄豆腐を泡盛、米麹、紅麹などで漬け込み、自然発酵させた「豆腐よう」。500年前に栄えた琉球王国時代に中国から伝わったといわれ、栄養価が高く、珍味として重宝されていた。その豆腐ようを作っているのが、沖縄本島北部・金武(きん)町で店を構える「龍の蔵(たつのくら)」。ここの豆腐ようは、ていねいな仕込みに加え、鍾乳洞の中でじっくりと発酵・熟成させるので、とてもおいしいと評判! その作り方は門外不出なのだが、今回は特別に製造責任者の豊川善規さんから手ほどきを受けて、豆腐よう作りを体験することに。

コーヒーの実

験前に、豆腐ようを味見してみる。ねっとりとした食感に濃厚な味わい、かすかに泡盛の香りが広がり、おいしさに驚く。チーズのような舌触りから、“東洋のチーズ”と呼ばれているそうだ。
いよいよ体験が始まる。豆腐ようの主役である沖縄豆腐は、木綿豆腐のような固さで、持つとずっしりと重い。まずは3センチ角に切り分けていく作業から。「同じ大きさになるように、ていねいにね」と豊川さん。かたちが不揃いだと、泡盛や米麹、紅麹などを混ぜ合わせた漬けダレに漬け込むとき

コーヒーの実を剥く手

に、しっかりと味が染み込まないという。
った豆腐は本来、数日ほど陰干しして、中に含まれている水分を飛ばすのだそう。乾燥させることで漬けダレをたっぷりと吸い込み、味に深みのある豆腐ようになる。網のついたザルに豆腐を等間隔に並べると、おもちゃのブロックみたいでなんだかかわいい。干す期間は、天気や湿度によって変わるんだとか。
気温や湿度の高い沖縄では、その見極めがとても難しいと豊川さんは言う。一年を通して豆腐よう作りが行われるそうだ

帽子をかぶった男性

が、日差しがやわらかく、気温もあまり高くない冬の時期は、もっとも適したシーズンだという。
らかじめ干しておいた豆腐を袋に詰め、その中に漬けダレをゆっくりと回し入れる。水分が抜けて、少し固くなった真っ白な沖縄豆腐に濃いピンク色のタレがかかると、豆腐がほんのりとピンク色に染まっていく。タレから香る芳醇な泡盛の香りにうっとりしながら、袋の口をキュッと閉め、さらに貯蔵用の樽に入れたら作業は終了。ここまでが仕込みだ。 その後、豆腐ようは長い時間をかけて、ゆっくり、じっくり

コーヒー豆

発酵・熟成させる。樽を貯蔵するために鍾乳洞へ向かった。 「鍾乳洞の中の温度は18度くらい。外の気温が30度を超える暑い夏でも、鍾乳洞の中は温度が上がることはありません。また湿度も一定に保たれているので、豆腐ようを発酵・熟成させるには最高の環境です」と話す豊川さん。
壁に沿って設置された階段を使って地下30メートルの洞内へ降りていくと、空気が少しひんやりとしている。足元を照らすライトを消すと真っ暗でとても静かな空間だ。ここで、数ヶ月から1年かけて、豆腐ようを寝かせる。

時間ほどの体験を終えたら、ランチを楽しむ。豊川さんが統括シェフを務めるカフェレストラン長楽(ちょうらく)では、金武町の特産品である田芋を料理にした「田芋膳」が味わえる。田芋は、親芋の周囲に子芋を増やすことから、沖縄では子孫繁栄をもたらす縁起物の食材。やわらかな芋を揚げたコロッケはホクホクでほんのり甘く、シャキっとした食感が楽しめる茎の酢味噌和えはさっぱりとした味わい、とろりと粘り気のある甘い田楽など、バラエティ豊かな田芋料理にお腹も心も大満足!少し優美な1日の始まりとなった。

龍の蔵(たつのくら) 沖縄県金武町金武4348-15
TEL:098-968-7666
11:00〜16:00 火曜定休