沖縄でしたい10の食体験

並ぶ沖縄料理

読谷村のやちむん作り体験と
やちむんの器でいただく沖縄料理

ろくろを使う手

ってりとした厚手の形状が愛らしく、唐草や点打ちなど、大らかな絵付けが目を引く沖縄の焼き物。沖縄の家庭では日常的に使われ、「やちむん」と呼ばれ親しまれている。「やちむん」は、県内各地で作られているが、中でも盛んなのが読谷村だ。9連房の大きな登り窯がある「やちむんの里」には、15の工房が集まり、様々な作品と出会える。また、周辺にもたくさんの陶工たちが窯を構えているので、お気に入りの器を探し求め、工房巡りを楽しむ人も多いのだ。
回は、「やちむんの里」からほど近い、自然豊かな場所に

ろくろを使う二人の女性

ある相馬正和さんが主宰する陶眞窯にやって来た。こちらでは、職人さんたちが実際に使っているろくろを使って、器づくりが体験できる。
ろくろを使うと聞くと、難しそうに思えるかもしれないが、スタッフが横に付いてサポートしてくれるので安心。「ゆっくり、やさしく」というアドバイスを意識しながら、土の塊の中心を親指で押して広げていく。次第に器の形になっていく様を見て、胸がわくわく。約15分と短時間の作業ではあったが、手仕事にふれることができた希少な体験だった。

展示される陶眞窯

房に併設している「やちむん&カフェ群青」には、陶眞窯の皿や碗、花器など様々な作品が展示販売されている。優雅なタッチで描かれた唐草柄のお皿は端正な作りで美しい。壺屋焼の伝統を受け継ぎ、土や釉薬もすべてオリジナルで作っている陶眞窯では、器だけではなくシーサーや泡盛を貯蔵する大型の甕も手がけているという。
「それぞれのスペシャリストが分業して制作にあたっています。工房見学は自由なので、職人たちの技にぜひ触れてみてください」と、工場長の相馬大作さん。

島やさい食堂てぃーあんだ

ちむん作りを楽しんだ後は、やちむんのお皿に盛られた沖縄料理を堪能したい、との想いで向かったのは、都屋の漁港近くにある「島やさい食堂てぃーあんだ」。
一軒家を改装した落ち着きのある空間には、大皿からコーヒーカップ、酒器など様々なやちむんが飾られていて、まるでギャラリーのよう。ここでは、季節ごとに採れる島やさいと、近くの漁港で水揚げされた魚介類を使った沖縄の家庭料理を味わうことができる。丁寧にダシを取り、素材の味を活かした料理は滋味深く、体の中から元気が湧いてくる。

やちむんの器

理を盛った器も魅力的で読谷村で作られているやちむんが使われていた。伊波さんセレクトのちょっと小ぶりな器は手に馴染みやすく、思わず欲しくなってしまうほど。この日出してくれた月桃御膳は、メバチマグロと海ぶどうのお造りとシイラの唐揚げとともに、県産豚のラフテーやクーブイリチー(昆布の炒めもの)などが盛られたお膳と甘菓子(ぜんざい)、コーヒー(または紅茶)が付く。「リズムよく食べてほしいので、甘いもの、辛いもの、食感を楽しめるものなど、メリハリは意識するようにしています」とオーナーの伊波さん。

並ぶ料理

「娘に島やさいのおいしさを教えてあげたくて、子供の頃におばぁちゃんが作ってくれた料理を思い出しながら作ったのが始まりです」と話す伊波さんの手料理は、「野菜ってこんなにおいしんだ」ということを、改めて気付かせてくれる。
縄のことばで、「てぃー」は手、「あんだ」は脂。「てぃーあんだ」とは、手の脂が染み込むくらいに、手間暇がかけられた料理のことをいう。店名に付けた「てぃーあんだ」という言葉を大切に、伊波さんは毎日、手塩にかけた料理でおもてなし、沖縄の食と文化の魅力を伝え続けている。

陶真窯(とうしんがま) 沖縄県読谷村座喜味2898
TEL:098-958-2029
営業 8:30〜18:30(年中無休/不定休)

島やさい食堂てぃーあんだ 沖縄県読谷村都屋448−1
TEL:098-956-0250
昼食11:00〜16:00、夕食18:00〜21:00(金・土・日のみ)
木曜定休