琉球国王の居城や沖縄屈指の聖地、英雄伝説が残る城に王家が眠る墓など沖縄には9つもの世界遺産があります。そこに足を踏み入れ、それぞれの遺産の物語に触れ、琉球ならではの奥深い唯一無二の歴史や文化を感じてください。
沖縄には、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録された首里城跡や斎場御嶽(せーふぁうたき)などの9つの建造物や遺跡があります。「グスク」とは琉球時代に農村を基盤に成長した豪族たちの城塞のことと考えられていて、こういった建造物や遺跡を訪れると、周辺諸国との交流で発展してきた唯一無二の琉球の歴史や文化にひたることができます。
琉球が統一される前の三山時代に築かれた北山王の居城跡。背後には聖域とされるクボウ御嶽が控え、“神の城”として知られています。面積は首里城に匹敵するほどで、城壁は高さ約3~8m、長さ約1.5km に達します。地形を巧みに利用した曲線が美しいこの城壁に立てば、色鮮やかな森と海が目の前に飛び込んできます。
西海岸を一望できる標高約125mの丘上に、築城家で名を馳せていた護佐丸が15世紀前半に築いたと伝えられています。屏風にたとえられるカーブした城壁は、その優雅さだけでなく崩れにくく敵の侵入も防ぎやすいという理に適った構造で、くさび石がはめ込まれたアーチ状の門は、他のグスクでは見られない独自の様式です。
与勝半島(よかつはんとう)の根もとにある四方の眺望が抜群の丘に構える城跡。この城に15世紀初頭から半ばまで居住したといわれるのが、琉球統一の野望を抱いた英雄、阿麻和利。若くして按司(地方豪族)となり海外貿易でますます力をつけたといわれますが、いまだに謎が多い人物です。彼の伝説を辿りながら見学すれば、面白さも増します。
中城湾に面した高台に、北東から南西にかけてほぼ一直線に城郭が連なる城跡。15世紀半ばに護佐丸(ごさまる)が築城したといわれ、現存するグスクの中では最も原型が残っていることで有名です。城郭の築き方は、ブロック状に積み上げる「石切積み」と当時の最新技法である「亀甲乱れ積み」が採用され、琉球の築城技術の変化を垣間見られます。
沖縄を代表する聖地で、琉球神話の源の存在であるアマミキヨが創ったと伝えられています。6つの神域があり、なかでも最高位の女性神官である聞得大君の即位式が行われた大庫理(うふぐーい)や、2枚の大きな岩が重なりあって三角形の洞門を形成している三庫理(さんぐーい)は特に見逃せません。琉球王国最高の聖地として存立している斎場御嶽を訪れれば、沖縄の歴史を深く感じることができます。
琉球王国の政治・外交・文化の中枢として栄えた国王の居城。城内では、随所で日本と中国の建築様式を融合させた独自の芸術性を見ることができます。中心は沖縄最大の木造建築物とされる正殿。琉球建築の粋を集めた極彩色の装飾は、その当時の栄華を伺わせてくれます。そのほか守礼門など、琉球の歴史や文化を伝える見どころがたくさんあります。
約400年に渡り琉球王国を統治した第二尚氏王統の陵墓。周囲を石垣で囲まれた3つの墓室は自然の崖壁に穴を開け造られており、その構えは荘厳です。当時の板葺き屋根の宮殿を模した外見は、棟に尚家の家紋や牡丹など浮き彫りを施しているのが特長。左右の袖塔上には陵墓の守護神として石彫りの獅子像が置かれています。玉陵を訪れれば、まるで別世界にいるような不思議な感覚を味わうことができます。
所首里城の一角にある石門。木製の門扉を除き全て石造りで、八重山の名石工・西塘(にしとう)によって1519年に造られました。屋根両端の鴟尾(しび)や棟中央の火焔宝珠など木造建築に迫る細かな装飾が、当時の技術の高さを物語ります。かつては後方に聖域の御嶽が広がり、琉球国王が城外に出かける際にこの門で道中の安泰を祈願したと言われています。
首里城の南に位置し別名“南荘”とも呼ばれる琉球王家の別邸で、池の周りを散策しながら景色の移り変わりを堪能する回遊式庭園。1800年頃に完成し、王家の保養や外国からの使者を手厚くもてなす時などに使われたと言われています。池の上には中国風に造られた六角堂があるなど、中国と日本、琉球の様式が混在した独特の風情が漂っています。