旧暦行事カレンダー 旧暦1月〜3月

沖縄の旧暦行事は、時代の変化にあわせて少しだけ形を変え、暮らしの中に残っているものが数多くあります。
ここでは、いくつかの旧暦行事の成り立ちをひも解き、先人達の暮らしや精神性に触れてみます。

旧暦1月1日 旧正月(ソーグヮチ)

本土復帰前に琉球政府によって「新正月一本化」が推奨され、現在沖縄では新正月が主流となっていますが、一方で、神仏への御願のために旧正月と新正月の両方を祝う家庭もあります。旧暦の年の瀬になると、炭を昆布で巻いたお供え飾りや正月料理の食材など普段みかけない商品が店頭に並び、新正月ほどではないものの市場やスーパーは買物客で賑わいます。そして家庭では、神仏に正月飾りや盃を供えて家族の健康と繁栄を祈願すると共に、ささやかに新年を祝います。糸満市などの漁業の盛んな地域は旧暦が色濃く残り、旧正月元旦の早朝、漁港では縁起物の大漁旗がなびき、家庭では御馳走がふるまわれハレの日を祝います。

大漁旗一色の漁港

大漁旗一色の漁港

旧正月用のお菓子

旧正月用のお菓子

旧暦3月3日 浜下り(ハマウリ)

「女の節句」とも言われ、女性達は浜に下りて手足を海水にひたして身を清め、潮干狩りなどを楽しむ行事です。その時に「三月御重(サングァチウジュウ)」と呼ばれる重箱料理を持ち寄る習慣もあり、重箱の中には、花イカや赤飯おにぎり、豆料理などの山海の幸、よもぎ餅や三月菓子が彩り良く詰められます。ちょうどこの頃の沖縄は海開きシーズン。うららかな陽気の中、遠浅になった海岸では潮干狩りや海の生物を観察する家族連れで賑わい、女性を中心とした行事は海のレジャーを兼ねた行事へと変わりつつあります。なお、この時期は、干満の差が大きい大潮にあたるため、干満時刻に気をつけながら浜下りを楽しんでくださいね!

潮干狩り

潮干狩り

よもぎもち

よもぎもち

アカマター伝説について

旧3月3日の浜下りの日に浜へ下りて身を清めるのは、沖縄に伝わる「アカマター伝説」に由来すると言われています。『昔、ひとりの美しい娘のもとへ、若い男が毎晩忍び込んでいました。不審に思った母親があとを追ってみると、その男はアカマター(蛇)の化身でした。母親がいることに気付かず、そのアカマターは巣に戻り、娘が白砂を踏むとけがれのない体に戻ることを仲間に話します。それを聞いた母親は大急ぎで娘に浜下りをさせて、元のけがれのない体に戻しました』という話です。

旧暦1月〜3月の主な行事一覧

旧暦1月

旧暦1月1日旧正月(ソーグヮチ)

1月1日の朝はまず若水を汲んで仏壇や火の神(ヒヌカン)に供え、年始めのあいさつや無病息災と繁栄を祈願することから始めました。若水とは文字通り「若返りの水」、再生の意味があったと言われています。

旧暦1月3日頃初起し(ハチウクシー)

仕事始めや初出荷にあたる儀礼。農家では初畑(ハチバル)と呼び、鍬入れや農具のお清めをして安全や豊作を祈願。漁師の場合は船起こし(フナウクシー)と呼んで、大漁旗を揚げて豊漁や航海安全を願います。

旧暦1月4日火の神迎え(ヒヌカンウンケー)

年の瀬の御願解き(ウガンブドゥチ)で昇天した火の神(ヒヌカン)が戻ってくる日。白米などを供えて香を炊き、火の神を迎えます。

火の神迎え(ヒヌカンウンケー)

旧暦1月7日七日節句(ナンカヌシク)

松飾りを片付けて、青菜の入った菜雑炊(ナージューシー)を仏壇や火の神(ヒヌカン)に供え、無病息災を祈願する日。菜雑炊にはヨモギ、オオバコ、リュウキュウコスミレなどのような沖縄で普段見かける野草が入ります。

旧暦1月2日〜13日生年祝い(トゥシビー)

沖縄では、12年ごとに巡ってくる生まれた干支の年が厄年とされ、火の神(ヒヌカン)や仏壇に安全祈願し、来客者の祝いの心で厄を落とすために生年祝いを行います。高齢になるほど盛大になり、地域で合同の生年祝いを行うところもあります。

旧暦1月16日十六日祭(ジュールクニチー)

この日はあの世(グソー)の正月にあたる日で、仏前に料理を供えて祖先を供養します。十六日祭は、本島北部や宮古、八重山などの一部地域で盛んに行われており、その時期には多くの人が島に帰省します。

旧暦1月20日二十日正月(ハチカソーグヮチ)

正月行事の締めくくる日で、その意味から「終わり正月(ウワイソーグヮチ)」とも呼ばれています。正月飾りの残りを片付け、仏壇や火の神(ヒヌカン)に塩漬けの肉などの簡単な料理を供えます。

旧暦2月

春分の頃 (新暦3月30日頃)彼岸

祖先供養の行事ですが、墓参りはほとんど行いません。かわりに、仏壇に御馳走を供えて祖先供養を行います。沖縄の彼岸は、農作業の区切りとして行われていた行事が仏教と結びつき、年中行事として定着したと言われています。

旧暦2月15日頃二月ウマチー

麦の初穂が出そろうこの時期に行う豊作祈願の行事の一つ。昔は針仕事や畑仕事を一切してはいけないとされ、禁を破るとハブに咬まれると言われていたそうです。農家にとって束の間の休息日でもありました。

旧暦3月

旧暦3月3日浜下り(ハマウリ)

女性たちが御馳走を持ち寄って浜辺に行き、白砂や海水で体を清めて健康を祈願する日。毎年その日は大潮にあたり、潮干狩りを楽しむ姿を多く見かけます。

火の神迎え(ヒヌカンウンケー)

旧暦3月15日三月ウマチー

二月ウマチーと関連した行事で、収穫を祝う祭りです。麦作が行われなくなった今でも、集落の行事として行う地域やムゥートゥヤーに集まり門中単位で行うところがあります。

清明節(新暦4月5日から)清明祭(シーミー)

中国から伝わった祖先供養の行事で、お盆、正月と並ぶ沖縄の三大行事のひとつです。祖先の墓に出向き、各家庭で持ち寄った御馳走をお供えしてお墓参りをします。その後は親族揃って墓庭で賑やかな会食を行います。